昇段レポート


「相手と、そして自分と正面から向かい合う」
鵜沢航平/初段(少年部)/下総支部

僕が空手を始めたのは4歳の時でした。当時僕は幼稚園でいじめられていました。それで親は武道を習わせようとしたのだと思います。まず家から一番近かった合気道の道場を見学に行き、次に二番目に近い空手道場に行きました。そこが極真空手の溝口道場で、それが極真との出会いでした。

僕は最初、空手をやりたくありませんでした。なぜ人のことを殴ったり蹴ったりしなければいけないのか分からなかったからです。僕は泣きました。道場に入るたびに泣いていました。その時、母は僕に約束しました。「3年間は絶対にやる。先生にやめてくれと言われても、足にしがみついていけ」と。「3年必死にやったら、その後は続けるもやめるも自分で考えなさい」と言われました。

稽古が始まるまで半年間泣いていました。半年後は組手が痛くてまた泣いていました。指導員の川崎環先生に一日2回くらいは「航平、泣くな!」とご指導いただきました。

進先生は、いつも目を合わせて語ってくれました。それから一年後、その毎日の積み重ねがあり、僕は気づかなかったが、母は僕の成長を見てくれていました。決して空手が強くなったわけではないけれど、僕は相手に正面から向かい合えるようになっていました。

その後、千葉県の我孫子へ引っ越すことになりました。僕は我孫子道場に来て、門井先生に驚いたことを言われました。「突きの質が悪い」。進先生からも教えていただいていていたと思うのですが、当時の僕はその日その日を一生懸命やることで精一杯で、突きの質については考えたことがありませんでした。それから突きの質を一年で上げようと頑張りました(今現在でも頑張っています)。

突き一つでも深いものだと分かりました。今でも年々上がっているのは確かですが、MAXにはほど遠いことは自覚しています。すべての技をMAXに近づけるように、これからも門井先生のご指導をいただき頑張りたいと思います。

今回、僕一人の力だけでなく、門井先生、荒井先生、進先生、環先生、そして道場の先輩、仲間、両親、兄弟、みんなの支えがあって黒帯を取ることができました。僕は器用ではないので、これからも一つ一つ丁寧に積み重ねて門井先生のような強くて速い突き蹴りを打って、倒せるような技を身に付けるのが目標です。そして、いつも自分と向かい合っていきたいと思います。押忍。