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11月17日(金)18日(土)19日(日)に東京体育館で開催された「✚日本赤十字社 災害義援金チャリティー 第13回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」は、国際空手道連盟極真会館の創始者である大山倍達総裁の生誕100年を祝う記念大会として行われ、会場には通常の『極真』の垂れ幕の隣りに大山総裁の大きな写真の垂れ幕が掛けられ、選手たちの戦いを大山総裁が見守る構図の中で3日間の試合が進められていった。






そして3日目の3位決定戦・準決勝戦の前には松井章奎館長を中心にI.K.O.国際委員、世界各支部の支部長や道場責任者が約200名参加して大山総裁に捧げる奉納演武が『大山倍達生誕100年記念演武』として行われた。まず試合場の正面には大山総裁の写真パネルが掲げられ、松井館長、磯部清次師範、山田雅稔師範、ケニー・ウーテンボガート師範ら国際委員、大会審議委員、八巻建志師範などが試合場の前列に並び、後列に帯順に支部長や師範が整列。また試合場だけに収まらず、左右の両サイドにも列を為し、全員で大山総裁に礼をしてから松井館長の号令に合わせて基本稽古を行い、最後に大山総裁と親交のあった小説『宮本武蔵』の著者・吉川英治氏が監修し、大山総裁の教えや極真空手の精神が凝縮されていると言っても過言ではない道場訓を全員で唱和して記念の奉納演武を終えた。



また、演武の前には大山総裁の足跡や極真会館の歴史を刻んだ特別映像が会場の大型スクリーンに流され、満員の来場者や世界のI.K.O.メンバーが食い入るように見つめていた。その映像のエンディングで強調されていた「和合」の精神を象徴していたのが、今年行われた第65回グラミー賞を受賞した音楽家の宅見将典氏による大会祝賀スペシャルライブだった。グラミー賞受賞作品である「Sakura」の生演奏で新たな“和”の世界観と最先端の洋楽サウンドとのコラボレーションに魅了され、最後に演奏したジョン・レノンの楽曲「イマジン」は、今大会のもう一つのテーマである『世界の平和と和合』の大切さを改めて来場者の胸に訴えかけるものであった。そして多くの来場者にそれが伝わったことは、演奏する壇上だけにスポットが当たる暗い会場で、自然発生的にスマートフォンの灯りを曲に合わせて左右に振る人たちが増え、いつの間にか会場全体が一体となり、思いや願いを一つにした光景が印象的で、この光景は世界大会の歴史の中で後世に語り継がれるものとなった。

この他、3日目には長年にわたり極真会館の活動に尽力され、貢献された各師範に特別昇段の授与式が行われた。受賞されたのは、磯部清次師範(九段)、川畑幸一師範(八段)、ジャック・レグレ師範(八段)、福田勇師範(七段)、八巻建志師範(七段)、木山仁師範(六段)、エミル・コストフ師範(六段)の7名。

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また、大会2日目には少年部演武が行われ、約90名の少年部道場生が基本・移動稽古、型、組手、試割りを披露した。今回の少年部演武は演武プロジェクトチームが初めて指揮したもので、全日本・世界クラスの大会で少年部演武が行われるのはコロナ禍を経て2019年の第12回大会以来4年ぶりで、初めて大会演武に参加する少年部の道場生も多かったが、皆溌剌とした技や動きを見せていた。


そして少年部演武の後に行われたのが、国際空手道連盟錬空武館による『テクニカルファイト』のデモンストレーションだった。これは錬空武館・髙久昌義館長が考案した防具を付けての組手と試合形式での攻防の解説で、このテクニカルファイトについて髙久館長からは「組手が苦手な人にも楽しく取り組めて上達の助けとなり、組手が得意な人には技の精度をより高めることに役立つ」と紹介があった。