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ゼッケン128番/鎌田翔平(かまだ・しょうへい)
東京城西支部/弐段
身長186cm/体重95kg/29歳
◎主な戦績
2010年第42回全日本大会8位
2012年第44回全日本大会7位
2013年第45回全日本大会5位
2014年第31回全日本ウェイト制重量級優勝
2014年第46回全日本大会4位
2016年第33回全日本ウェイト制重量級優勝

 世代交代という言葉にある意味で一番敏感に反応しているのが、追われる立場にある29歳の鎌田翔平選手です。186cm、95kgの鎌田選手は、全日本大会にデビューした当初からいつチャンピオンになってもおかしくない逸材と言われていました。髙橋選手や上田選手がデビューする以前は、この体格で上段廻し蹴り、後ろ廻し蹴り、カカト落としなど上段への蹴り技を自在に操る選手は少なく、当時からスケールの大きな空手をする選手でした。その後、世界大会には2度出場し、全日本ウェイト制大会は重量級で2度優勝。今大会でもゼッケン128番という極真全日本のエースナンバーを背負うにふさわしい実力と風格を持った選手と言えます。
 ただし、この10年間、順調に成長してきたわけではなく、周囲の期待に反する結果で終わった大会もありました。その最たるものが昨年の第11回世界大会の2日目・3回戦敗退です。優勝候補の一人、また日本の大黒柱的存在だった鎌田選手ですが、本人の意志とは全く異なる試合をして不甲斐ない結果に終わりました。原因は様々なことが考えられますが、そこから復活して今年6月の全日本ウェイト制大会では“世代交代”を成し遂げようと追い上げる髙橋佑汰選手を破って重量級優勝。再び日本のトップに座に舞い戻りました。
 その彼の気持ちを奮い立たせたのが、今回のルール改定でした。少年時代に全空連の松濤館流空手を経験している鎌田選手は、捌きや足掛けなどを有効に活かす技術を他の選手以上に理解していて、これまでの自分の空手に刷り込む作業も比較的容易だったと思います。また、鎌田選手の所属する東京城西支部は支部長の山田雅稔師範の教えもあり、創設当初から革新的な技術の創意工夫によって多くの強豪選手を輩出した伝統が今も受け継がれていて、今回のルール改定に対してもいち早く研究を重ね、選手達に指導が施されていたと聞きます。そういった要素が重なって、鎌田選手は髙橋選手との決勝戦において、一瞬のスキを突いた内廻し蹴りをクリーンヒットさせ、突きから残心を示して技有りを奪い勝負を決めました。
 このことからも分かるように、今回のルール改定は鎌田選手にとって、先に述べた髙橋・荒田・上田の3選手とは違った意味で有利に働くのではないかという予想が成り立ちます。また、実際に試合の場でそれを証明している強みが本人の中で大きな自信となって、今大会ではさらに磨かれた技術が披露されることと思います。
 彼がエントリーしているDブロックは、第44回全日本大会優勝者のアレハンドロ・ナヴァロ選手(ゼッケン113番)、同大会でナヴァロ選手と決勝を争ったゴデルジ・カパナーゼ選手(ゼッケン97番)という海外の強豪がいます。二人とも鎌田選手とは何度も対戦経験があるベテランで、そのキャリアや実力は要注意ではありますが、今の鎌田選手であれば相手の圧力や勢いに飲まれることなく、ルール改定を効果的に活用した自分の組手を貫けば退けることができるのではないかと思います。
 そして、鎌田選手にはまだまだ髙橋・上田の両選手を筆頭とする若い世代の高い壁になって日本の空手を牽引し、空手界全体のレベルアップに貢献して欲しいと期待しています。(日本代表監督/木山 仁)

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