昇段レポート


「道場の稽古は人生の大事なことを教えている」
角田好彦/参段/静岡駿河支部

 空手を始めて約20年、その間に空手との付き合いは細くなり太くなり、途切れそうになりと色々でしたが、一つ言えることは成人になってからは、私を育ててくれた教えとして空手があったということです。
 寸止め空手をやり始めて3年ほど経った頃にフルコンタクトの空手をやりたい衝動を抑えられなくなり、通勤途中に戸田師範の新道場を見つけて迷わずに入門しました。
 道場で見た初めての黒帯同士の組手やバット折りの演武などは、まさしくこれぞ極真でした。白帯から出直し、初めて黒帯と組手で手合せをしたとき、多少腕に自信があったこともあり、威勢よく攻撃を仕掛けましたが、胸にもらったストレートでうずくまってしまい、完敗でした。黒帯のパワーに感服し、その後これをきっかけに稽古に熱を入れるようになりました。
 道場での稽古は非日常的なことではありますが、人生を歩むうえで大事なことを教えていると思います。体で痛みを覚えることで相手の痛みが分かる。今の世の中(いつの世の中にも)に必要な教えではないでしょうか。
 今回の審査では、移動稽古での技の連続試技に戸惑ってしまい、日常の反復がいかに大事であるか痛感しました。
 夏合宿では松井館長の「反復すれば良くも悪くも体が覚える、稽古すればするだけ組手が弱くなるのは理に適った動きではないから」という言葉に、身が引き締まる思いをしました。50歳になり、思うような動きができなくなりましたが、だからこその稽古であると思います。道場では、上手な人の動きを真似るのも上達のコツと教えます。まさしく有段者としての責任を果たすべく精進をしたいと思います。
 支部内におきましては、準備稽古に付き合ってくれた中原一真君ありがとう。支部長である戸田師範には日頃より人生教訓を教授していただき、空手以外にもお世話になり感謝しております。押忍。

◎極真会館静岡駿河支部