昇段レポート

 


「極真空手をより多くの人に正しく伝える」
塚原典寿/参段/北海道札幌東支部

「千日を以って初心とし、万日を以って極とする」。
 初めて極真の空手着に袖を通してから、30年が過ぎました。つまり万日経つわけですが、自分はまだまだ「極」には及びません。
 2013年9月8日、永く忘れていた緊張感と高揚感が蘇りました。以前と違うのは、もう選手ではないこと、家庭を持っていること、そして支部長として審査を受けさせていただいていたことです。
 10代では多少稽古を休んでも体が反応し、出来たことが30代40代となると、少し休むだけで体力の衰えを感じます。稽古を続けるということは、若い世代よりも中年以降の世代が実践していかねばならないと思います。自分なりに稽古をして受審しましたが、自分では全く気付かなかったことを、審査を通じて松井館長から教えていただきました。
 私の世代は松井館長の試合を実際に拝見させていただいております。その松井館長に審査していただけるとは夢にも思いませんでした。時間を止めることは誰にもできず、時間だけは皆平等に与えられています。若さを羨ましく感じるときもありますが、今の若い道場生には体験できなかったことを、我々は体験してきました。その経験や教訓を時代に合うように次世代に伝承していかねばなりません。支部長の任を与えていただき、私は組織に属するということの意味を痛感しております。私の出来ること、出来ないこと、そして組織があって初めて出来ることがあります。組織に属することはルールを遵守すること、秩序を守ることと思います。大山総裁の提唱された「世界平和」は秩序あってのものです。
 私に支部長という重大な任と、極真空手を次世代に継承していくチャンスを与えてくださった松井章圭館長、山田雅稔師範に心より感謝申し上げます。
 ここまでの道のりは、随分と遠回りし、周囲の方々にもご迷惑をおかけしました。私が無駄に過ごした「今日」は、誰かにとっては何としても生きたかった「明日」かもしれません。日々勉強、日々稽古、少しでも多くの人に極真空手を正しく伝え、より多くの人に試合会場に足を運んでいただき、実際に真剣勝負を観ていただけるよう、私に出来ることをさせていただきます。参段昇段の認可、誠にありがとうございました。押忍。

◎極真会館北海道札幌東支部