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男子入賞者、左から準優勝/コバレンコ、優勝/西村界人、3位/大秦稜司、4位/荒田昇毅。


女子入賞者、左から準優勝/佐藤七海、優勝/鵜沢菜南、3位/知念琉花、4位/山﨑乙乃。

11月20日(日)、東京体育館にて「第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」が開催され、国内や海外からの参加選手を含め男子69名、女子23名が出場して体重無差別の極真空手日本一が争われた。
来年11月に開催される第13回全世界空手道選手権大会の日本代表選手選抜戦となった今大会。男子の代表権を賭けた4回戦はいずれも好勝負が展開された。まずAブロックは、2020年第52回優勝者のコバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)が4月の第53回新人賞の岡部慎太郎(東京城西支部)に本戦判定勝ち。第53回5位の清水祐貴(東京城北支部)と6月の全日本体重別大会重量級3位の岩田大(神奈川横浜港南支部)の対戦は、清水が本戦5-0の判定勝ち。
Bブロックは、全日本体重別大会重量級準優勝の長澤大和(北大阪支部)と10月の真正会・全日本大会中量級準優勝の山上大輝(東京城北支部)の対戦は、長澤が優勢に試合を進めたが顔面殴打で山上がドクターストップになり、長澤の反則負け。3年ぶりに復帰した荒田昇毅(千葉中央支部)と第53回準優勝の山川竜馬(東京城北支部)の重量級同士の一戦は、激しい打撃戦から荒田が内股への右下段廻し蹴りで一本勝ち。
Cブロックは、第53回3位の加賀健弘(東京城西支部)と全日本体重別大会軽重量級3位の西村大河(東京城北支部)との試合は接戦となったが加賀が本戦3-0の判定勝ち。19歳の西村はこの試合が評価されて新人賞を受賞した。また、全日本体重別大会中量級優勝者の大秦稜司(京都支部)と同軽量級優勝者の飯塚翼(東京城北支部)の新鋭同士の一戦は、技とスピードが交錯する目まぐるしい展開となったが、大秦の攻撃力が優り本戦4-0の判定勝ち。
Dブロックは、第53回7位の石﨑恋之介(東京城西支部)と第52回8位の小林健人(東京城北支部)の試合となり、石﨑がパワーで優位に立ち本戦4-0の判定勝ち。3回戦で欧州無差別優勝者のナヴァロ・アレハンドロ(スペイン)を退けた第53回優勝者で今大会2連覇を狙う西村界人(東京城北支部)は第52回7位の奥寺優輝(東京城西支部)を寄せ付けず、本戦5-0の判定勝ちとなった。

ベスト8に進出したのは、コバレンコ、清水、山上、荒田、加賀、大秦、石﨑、西村の8名。準々決勝第1試合、コバレンコと清水の第12回世界大会以来の再戦は、終了間際にコバレンコが下段突きで技有りを奪って優勢勝ち。第2試合は山上がドクターストップの棄権で荒田が不戦勝。第3試合は加賀と大秦が熱戦を繰り広げたが、加賀が抑えと胸を合わせての攻撃で計3度の注意を取られ、減点1となって大秦の本戦優勢勝ち。第4試合は西村が石﨑に強烈な打撃を浴びせて本戦4-0の判定勝ち。

コバレンコと荒田の準決勝戦は、互いに強烈な突きと下段廻し蹴りを打ち合う展開が続き、コバレンコが僅かに上回り本戦4-0の判定勝ち。110kgの西村と80kgの大秦の対戦は、西村が圧倒的な体格差を活かして下段突きで技有りを奪い、大秦は抱え込みの注意を3度犯して減点1となって京都支部時代の先輩・西村が貫録を示した。

▼男子準決勝
〇コバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)
本戦判定勝ち4-0
×荒田昇毅(千葉中央支部)


▼男子準決勝
〇西村界人(東京城北支部)
優勢勝ち5-0
※西村が下段突きで技有り・大秦が減点1
大秦稜司(京都支部)

3位決定戦は大秦が荒田の足を狙った下段廻し蹴りを連打して本戦5-0の判定勝ち。21歳の大秦は今回の活躍で技能賞、奮闘した荒田には敢闘賞が贈られた。
第52回大会決勝以来、2年ぶりの再戦となったコバレンコと西村の決勝戦。本戦は両者互角の展開となり0-0で延長へ。延長戦では終盤から勝負に出た西村が猛攻を仕掛けてコバレンコを攻め込み試合終了。4-0の判定で西村が2連覇を達成した。

▼男子3位決定戦
〇大秦稜司(京都支部)
本戦判定勝ち5-0
×荒田昇毅(千葉中央支部)


▼男子決勝戦
〇西村界人(東京城北支部)
延長判定勝ち4-0
×コバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)

試合後の優勝者インタビューで西村は「最後は気持ちの勝負。自分をここまで強くしてくれるきっかけとなったコバレンコ選手には感謝しかありません。来年の世界大会の決勝でもう一度戦って(1勝1敗の)決着をつけたい。連覇がかかった試合でしたが初戦から決勝まで挑戦者の気持ちを忘れずに一戦一戦全力で戦えたことが結果につながったと思います。来年の世界大会への戦いはもう始まっていますし、強い日本チームで勝って必ず日本が優勝、最後は自分が世界チャンピオンになります」と来年に向けた決意を語った。

女子では、2019年世界女子3位で今年6月のヨーロッパウェイト制中量級優勝者の優勝候補エルハイモワ・シャイネス(フランス)を4月の前回大会新人賞の知念琉花(神奈川横浜北支部)が3回戦本戦4-1の判定で撃破。続く準決勝戦、知念は2020年準優勝者で全日本体重別大会重量級優勝の鵜沢菜南(千葉下総支部)に挑んだが及ばず、鵜沢が本戦5-0の判定勝ち。もう一つの準決勝は3大会連続で3連覇を狙う佐藤七海(東京城西国分寺支部)と前回3位・山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)の対戦となり、本戦で佐藤の左上段廻し蹴りが決まり技有り優勢勝ちとなった。

▼女子準決勝戦
〇鵜沢菜南(千葉下総支部)
本戦判定勝ち5-0
×知念琉花(神奈川横浜北支部)


▼女子準決勝戦
〇佐藤七海(東京城西国分寺支部)
本戦優勢勝ち5-0
※佐藤が上段廻し蹴りで技有り
×山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)

3位決定戦は知念と山﨑の一戦。前回大会でも対戦した両者だが、今回は知念が171cmの長いリーチを活かした上段前蹴りを決めて技有りを奪って雪辱を果たした。
男子と同じく、2020年全日本決勝の再戦となった鵜沢と佐藤の決勝戦。前回は佐藤が若い鵜沢を本戦で退けたが、今回は本戦、延長と互いに譲らず引き分けとなり試合は再延長へ。やや疲れの見える佐藤に対し、鵜沢は最後まで強い打撃を続けて4-0の判定勝ちで鵜沢が初優勝に輝き、佐藤の3連覇を阻止した。
鵜沢は優勝者インタビューで「最後まで冷静に、下段蹴りと突きだけにこだわらずに技を出せた。来年の世界大会で優勝して、さらに強くなって良い組手が出来るように頑張ります」と力強く語った。

▼女子3位決定戦
〇知念琉花(神奈川横浜北支部)
本戦優勢勝ち5-0
※知念が上段前蹴りで技有り
×山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)


▼女子決勝戦
〇鵜沢菜南(千葉下総支部)
再延長判定勝ち4-0
×佐藤七海(東京城西国分寺支部)

また、今大会では2年前に発足した演武プロジェクトチームによる演武が披露され、第45回全日本チャンピオンの安島喬平支部長(茨城中央支部)と第48回全日本チャンピオンの鎌田翔平支部長(東京城東湾岸支部)による征遠鎮の型とその分解組手、さらに安島支部長が両手瓦10枚割り、後ろ蹴り氷柱割り、鎌田支部長は公式バット6本折り、氷柱手刀割りの試割り演武を行い、観客の大きな拍手を受けた。



第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会・男子入賞者

優勝/西村界人 (東京城北支部) NISHIMURA KAITO

準優勝/コバレンコ・コンスタンティン (総本部道場) KOVALENKO KONSTANTIN

3位/大秦稜司 (京都支部) OHATA RYOJI

4位/荒田昇毅 (千葉中央支部) ARATA SHOKI

5位/加賀健弘 (東京城西支部) KAGA TAKEHIRO

6位/清水祐貴 (東京城北支部) SHIMIZU YUKI

7位/石﨑恋之介 (東京城西支部) ISHIZAKI KOINOSUKE

8位/山上大輝 (東京城北支部) YAMAGAMI DAIKI

敢闘賞/荒田昇毅 (千葉中央支部) ARATA SHOKI

技能賞/大秦稜司 (京都支部) OHATA RYOJI

試割賞/コバレンコ・コンスタンティン (総本部道場=22枚) KOVALENKO KONSTANTIN

新人賞/西村大河 (東京城北支部) NISHIMURA TAIGA

第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会・女子入賞者

優勝/鵜澤菜南 (千葉下総支部) UZAWA NANA

準優勝/佐藤七海 (東京城西国分寺支部) SATO NANAMI

3位/知念琉花 (神奈川横浜北支部) CHINEN LUKA

4位/山崎乙乃 (東京城西世田谷東支部) YAMAZAKI OTONO

敢闘賞/知念琉花 (神奈川横浜北支部) CHINEN LUKA

技能賞/佐藤七海 (東京城西国分寺支部) SATO NANAMI

新人賞/神田乙璃沙 (神奈川横浜東支部) CHINEN RUKA