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12月26日(日)に実施される「2021全国強化選手錬成試合」について、そのテーマや見どころ、出場する選手たちの特徴などを主催する全国選手強化委員会・木山仁委員長に解説していただきました。また、この解説動画はKYOKUSHIN ONLINE(無料)でも配信中です。

■木山仁委員長インタビュー
「3本勝負は技有りを取り返す、劣勢を挽回する経験を積むことと
自分の課題をその場で判断し修正する能力を養うことが目的の一つ」

ーー錬成試合の特別ルールについて?
木山「通常の大会や試合では本戦、延長など、その都度その都度の判定、または技有り・一本などによって勝敗が決まっていくのですが、今回の錬成試合は3本勝負(2分・3ラウンド制)になっています。1試合ごとに3本勝負を行い、勝ち数の多い方が勝ち上がる、また先に2勝した場合は2勝した時点で勝ちとなり、次の回戦に進んでいくという形になっています。
このように3本勝負で今回の試合は行われるので、判定の場合は1ラウンドごとに引き分けなしのマストシステムで必ず勝敗を決めながら試合を行い、勝ち数の多い者が勝者となります。また、今回の試合ではそのラウンド内で一本や技有りを取られたとしても、ドクターが判断して深刻なダメージがなければ次のラウンドが行われます。ですから、たとえば1本目で一本や技有りを取られたとしても、2本目以降で挽回をはかっていけば試合が逆転するということもあります」
ーー3本勝負のルールを採用した意図は?
木山「3本勝負となったのは、選手たちにより多くの試合を経験してもらいたいからです。ルールの細かな改定も行われ、そういった部分の対応や調整がどれだけできているかということもありますし、通常よりも長く試合をすることでそこに慣れてほしいという思いもあります。
また、選手たちには3本勝負ということで技有りを取られた選手が技有りを取り返す、劣勢な状態から挽回するという経験も積んでほしいと思っています。本番の試合で技有りを取られたときにどうやって技有りを取り返していくのか。そういった状況を設定した組手稽古も行いますが、これは実際にそういう場面で戦ってみないとなかなか身に付くものではありません。
1本目、2本目、3本目と試合を繰り返す中で、自分自身に足りないものがどこにあるのかをその場で判断し、その場で即修正する、対応する能力を養うことも目的の一つにしています」

ーー2021年7月からI.K.O.フルコンタクトルールに新たな改定が加わった点について?
木山「改定内容の一つ目は、上段の蹴りに対するクリーンヒットという部分で、これまでは軽微な上段の蹴り技に対しても技有りが認められる場合があったので、これからはより明確な形である程度の威力やインパクトを伴う上段への蹴りを決め、タイミングよく突きをして間合いを制し気合いが伴う残心を示したものに技有りを与えるということに改定されました。
二つ目は、足掛けや蹴り技による転倒についてです。これらの有効技で相手を転倒させた場合、これまではその場ですぐに残心を示せば技有りとなったのですが、これからは転倒した相手に対して胴体に向かって当て止めという形でライトコンタクトの下段突きを決めるか、顔面に寸止めの下段突きを決め、残心を示した場合にのみ技有りが与えられることになりました。また、胴廻し回転蹴りなど相手の捨て身技をかわした場合も同様に、倒れた相手の胴体への当て止め、顔面への寸止めの下段突きを決め、残心を示せば技有りになります。
下段突きに関して、胴体への当て止めの突き(ライトコンタクトの突き)はダメージが残るほど強い突き(フルコンタクトの突き)の場合は反則、顔面への寸止めの突きは当たってしまった場合は顔面殴打となり反則になります。
この展開では、上になった選手が倒れた選手に下段突きを決めにいくことによって接近した間合いになるので、そのときに下からの蹴り上げなど反撃のチャンスが倒された選手にも広がり、さらに緊迫した攻防が期待できると思っています。
 このように新しく改定されたルールに選手たちが慣れてもらうための今回の錬成試合でもありますし、選手たちがこの改定された部分についてどれだけ稽古を積んできたのか、また試合がどんな展開になるのかを今回の試合で検証していきたいと考えています」

ーー各カテゴリーの出場選手紹介。
木山「まず男子B・Cクラス無差別級は、昨年と一昨年の西日本大会優勝者で今年は同大会準優勝の大秦零司選手が出場します。他に精力的に試合に出場している橋本竜選手もいますが、対抗馬としてはこれまで数々の名勝負を残してきた福井裕樹選手が挙げられます。このクラスではベテランの福井選手と若い川端翔選手、大秦選手らがどのような戦いを見せるのかに注目しています。
次に男子S・A・Bクラス-70kg級は、濵岡秀星選手、中島寛高選手が出場します。この2人も今伸び盛りの選手で、実力が上がってきているので非常に楽しみにしています。
男子S・A・Bクラス-80kg級は、今年の全関東大会中量級優勝者の筒井隼太選手、真正会全日本大会中量級優勝者の谷川蒼哉選手、反対側には西日本大会3位の大秦稜司選手、良い素材ながらしばらく試合から離れ先頃復帰してきた北村佳祐選手、昨年の全日本大会7位で技能賞も獲得している奥寺勇輝選手が出場します。
そして男子S・A・Bクラス+80kg級は、今回のトーナメントで一番参加者の多い10名が出場し、この中には昨年の全日本大会優勝者であるコンスタンティン・コバレンコ選手、同じく昨年全日本4位の石﨑恋之介選手、世界大会出場経験のある髙木信選手、久保英和選手、徳田寛大選手、そして若手で今伸び盛りの小枝怜生選手、岡部慎太郎選手、岩田大選手、兼久啓太郎選手、佐藤拓海選手など、全員の顔ぶれを見たときに、非常におもしろいメンバーが揃ったなと思いました。前半のブロックは実績のある石﨑選手、日本代表の久保選手に対して、今年11月の全関東大会重量級3位の小枝選手と岡部選手がどう戦うのかに注目しています。小枝選手と岡部選手は、身体も大きく潜在的な能力も高いので、ひと皮むければ日本の主力になる力を持っていると期待しています。
後半のブロックに移り、11月の西日本大会で優勝した髙木選手は、この大会では色々な技を試しながら試合をしているように見受けられたので、それらの技がさらにグレードアップしていることに期待したいと思います。続いて岩田選手は第12回世界大会の最終選抜まで残った選手で一昨年の全関東大会重量級優勝者、佐藤選手は今年の全関東大会重量級準優勝で昨年全日本大会では新人賞に選ばれており、兼久選手はセミコンタクトルール全国交流大会2連覇の実績があります。最後に全日本チャンピオンのコバレンコ選手は、彼が得意にしている足掛けの技が今回は相手を転倒させた後に下段突きを決めなければ技有りを取れないので、その部分にどこまで対応できているかに注目しています。
続いて女子B・Cクラス無差別級は、西日本大会で優勝したベノワタス・アリス選手、鈴木花菜選手、全関東大会軽量級準優勝の玉城みく選手、ナッシュ・エイミーリー選手の4名が出場します。
最後に女子S・A・Bクラス無差別級、山﨑乙乃選手は真正会の全日本大会で優勝し、八幡華菜選手は一昨年の世界女子ウェイト制大会軽量級で準優勝を収めています。反対のブロックに前回の世界女子大会に日本代表として出場した本村愛花選手と遠藤ひとみ選手が出場し、遠藤選手は昨年の全日本女子大会で3位に入賞しています。ベテランの本村選手・遠藤選手と新鋭の山﨑選手・八幡選手の勝者同士が決勝で戦うことになり、ベテランと新鋭の戦いがどのような結果になるのかが見どころの一つと言えるでしょう」

ーー今回の試合で選手たちに期待するものは?
木山「まずは7月に改定されたルールに則った試合をしてほしいと思っています。上段蹴りのクリーンヒット、転倒した相手に対する下段突き、それらを明確な形で示し、その技術を発揮して勝負をしてもらいたい。また今回の試合で自分の技術や足りない部分を確認してもらい、それぞれの課題を修正した上で来年の大会に向かってもらうというのがこの錬成試合のテーマの一つになっていますので、来年行われる第53回全日本大会(4月)、第13回世界大会日本代表選抜戦となる第54回全日本大会(11月)で今回磨いた技術や実力をしっかりと示していけるように、各選手がこの錬成試合を有意義なものにしてほしいと思っています。また、オンラインで視聴しているその他の選手やこれから選手を目指そうとしている人はそれぞれの試合や技術を参考にして今後に役立てていただきたいですし、一般の会員の皆さんには試合の勝敗はもちろんですが、選手たちが一所懸命戦う姿を見て自分がプラスになる何かを感じ取っていただければ幸いに思います」

※木山委員長の解説はKYOKUSHIN ONLINEにて動画でも配信中!
■木山仁委員長の解説動画
さらに詳しい試合の見どころ、木山委員長がおススメする注目カードetc.
ぜひこの動画をご覧いただき、試合のご視聴の参考にして下さい!

■2021全国強化選手錬成試合の詳細はこちら

■2021全国強化選手錬成試合トーナメント・試合番号入り(PDF)

この試合の模様は極真会館公式コンテンツ配信サービス『KYOKUSHIN ONLINE』内のサブスクリプションサービス『極真プライム』にてライブ配信されます。
まだ『極真プライム』に入会されていない方は、下記URLより会員登録の上、錬成試合をはじめ様々なコンテンツをお楽しみ下さい。

■配信開始時間:2021年12月26日(日)AM10:00
※9:30より10:00まで上記の木山委員長による試合の見どころ解説と出場選手紹介の映像を配信します。

■視聴方法
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