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新年、あけましておめでとうございます。
平素は極真会館の活動に御理解と御支援をいただき誠にありがとうございます。この場をお借りして謹んで御礼申し上げます。

昨年中はお陰様で第50回全日本大会をはじめ全ての行事を無事滞りなく終了する事が出来ました。これも偏に日頃から我々の活動を支持していただき、御協力賜ります会員の皆様はじめ多くの方々と御協賛各社様の御支援の賜物であると重ねて感謝申し上げます。

さて、国際空手道連盟 極真会館は2014年に創立50周年を迎え、その翌年2015年の第11回全世界大会を契機に、今後の50年に向けた大きな改革をスタートさせました。まず、国際団体としての統一感を持たせ、日本の伝統文化である武道を世界に発信する目的で開催する種々の大会や団体全体のイメージの刷新、また空手道のオリンピック競技参加を長期に渡り推進してきた公益財団法人 全日本空手道連盟との友好団体化に伴い積極的に交流をはかりながら空手界の大同団結を促すと同時に、空手道の社会的地位向上を目指して活動していく事、内部的には2016年より実施している組手競技におけるルール改定、及び昨年から開始したI.K.O.セミコンタクトルール競技会の推進、そして今年は型の整備と細かい動作の統一にも着手していく予定でおります。

特に組手競技については、極真空手の創始者である大山倍達師が、「素手素足」「体重無差別」「直接打撃」の3原則をもって創り上げた従来のフルコンタクト空手ルールを見直し、草創期の「実戦性」に回帰するとともに、社会体育としての「安全性」を確保しながら、「競技性」を高め、武術本来の技の習得や向上を目指すという目的で2016年にルール改定を実施しました。このルール改定によって、以前に比べ格段に精度が増した技術や実戦的でスリリングな試合展開が見られる様になり、3年目を迎えた今年は秋に第12回全世界大会が開催されることもあり、「I.K.O.フルコンタクトルール」として国際的に普及・浸透する大きな契機になるであろうと期待を寄せています。

前述のように今年2019年11月に「第12回全世界空手道選手権大会」が開催されます。4年に一度開催される体重無差別の全世界大会は、極真会館の最大行事としてこれまで団体活動の中心となるものでしたが、今大会はルール改定後初めて開催される無差別世界大会であり、昨年の全日本大会が第50回の節目の大会で今年が51回目となり、今後に向けた新たなスタートという側面も持ち合わせた重要な大会でもあります。

全世界大会の前哨戦とも言える全日本大会では、ルール改定以降は強豪外国人招待選手が複数参加する中で2016年第48回大会は鎌田翔平選手、2017年第49回大会は髙橋佑汰選手、昨年2018年第50回大会は上田幹雄選手が優勝し、この3名の他に「四強」と呼ばれる荒田昇毅選手も3年連続でベスト4に入賞しました。加えて2017年4月に行われた第6回全世界ウェイト制大会で、日本は軽量級、中量級、重量級の3階級で優勝を遂げるなど、近年は日本選手が競技面に於いてもリーダーシップを発揮しています。

しかしながら無差別で争われる全世界大会は、2007年第9回、2011年第10回、2015年第11回と3大会連続で外国人選手が優勝を遂げ、日本選手は2003年第8回大会の木山仁選手以来優勝から遠ざかっているという現実があります。11月の第12回全世界大会では、日本選手には積年のテーマである「王座奪回」をぜひとも成し遂げてほしいと期待していますし、同時に日本発の「I.K.O.フルコンタクトルール」を世界に普及させるという重要な責務を果たしてほしいとの願いがあります。そのためには、日本代表である前述の4選手を中心にした選手全体のレベルアップや若手の更なる成長が不可欠になりますので、他の多くの選手達もそれらトップ選手を目標に、極真空手の頂点である全日本大会や世界大会で活躍するという高い志を持って日々研鑽と精進に励んで頂きたいと思います。

第12回全世界大会は11月22日(金)~24日(日)の3日間にわたり、昨年全日本大会が開催された東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開催され、日本をはじめ世界各国・各地域から選抜された男子約200名、女子約40名の選手が出場し、体重無差別の空手世界一を競う大会となりますので、皆様もどうか選手達の熱い戦いに注目し応援して頂ければと思います。

また、前述のルール改定が一つのきっかけになり、顔面への突きに対する意識などフルコンタクトルールでは技術的に補いきれない部分を補完する目的で新たに考案され、昨年より実施されたのが「I.K.O.セミコンタクトルール」による組手競技です。その柱となるのはフルコンタクトと同じく「実戦性」「安全性」「競技性」の3つで、特に青少年を中心とした選手の健康面を考慮し、防具を着用するなど安全性を充分に確保した上で、「間合い」「スピード」「技の正確性」など空手本来の技術を正しく身に付けるという意図があり、またオリンピック競技で採用されるWKF(世界空手連盟)ルールとの互換性や親和性を持つことも期待できます。

試合に関して、現段階では4月(国際親善大会)と6月(大阪)に全国規模の大会を開催する予定でおり、その他にも今年は各地区・各県、また各支部内で精力的に交流試合や大会が行われていくと思いますので、フルコンタクトと同様にこちらの競技にもぜひ興味を持って頂き、積極的に参加をして頂きたいと思います。

国際空手道連盟 極真会館は、創始者 大山倍達が教示した「頭は低く、目は高く、口を慎んで心広く、孝を原点として他を益する」という極真精神をその理念とし、2011年『極真会館・命知元年』で示した「世界平和を目指し、武道空手道の普及による社会体育活動を通じて、社会に有用たる人材の育成に努める」という団体活動目的と「最強求道の志・相互互恵の志・永続繁栄の志」という3つの団体活動指針を基盤にする武道団体です。
日々稽古に精進する中で『最強』『一撃必殺』といった武術の理想を追求すると同時に、世界大会をはじめとする社会体育活動に積極的に取り組み極真空手の普及を通じて、心・技・体ともに健全な若者、健全な青少年の育成、国際交流や社会福祉を推進し、「武道を通じて社会に貢献する」という信念の下、今後も様々な活動に邁進していく所存でおります。

また、その社会貢献の一環として、2011年3月の東日本大震災以降、国内のすべての大会やイベントを震災や豪雨災害等の義援金チャリティー大会として開催致しております。被災された各地の復興を願い、今後も継続的にチャリティー活動を行ってまいりますので、皆様方には引き続き御理解と御協力賜わりますよう宜しくお願い申し上げます。

最後に、今年のイベントとして現在予定している主なものは、4月に恒例行事である「2019国際親善空手道選手権大会」の中に新たにセミコンタクトルールのカテゴリーを新設し、また昨年同様に「第36回全日本ウェイト制空手道選手権大会」を同時開催で行い、特に全日本ウェイト制大会は世界大会日本代表選手最終選抜戦となります。続いて6月に大阪で「セミコンタクトルール競技会」、8月に「2019極真祭」、そして11月に「第12回全世界空手道選手権大会」となっています。また、各支部・道場主催による大会や合宿・審査等の行事も例年通り開催されますので、皆様方には是非とも有意義なものとして活用して頂ければと思います。

本年が皆様にとって健康で幸せな実り多い一年となりますよう心から祈念し、新年の挨拶とさせて頂きます。
2019年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2019年1月1日
国際空手道連盟 極真会館
館長 松井章奎