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ゼッケン64番/荒田昇毅(あらた・しょうき)
千葉県中央支部/初段
身長184cm/体重100kg/29歳
 ◎主な戦績
2010年第42回全日本大会5位
2012年第44回全日本大会3位
2013年第5回世界ウェイト制重量級優勝
2014年第46回全日本大会2位

2015年第11回世界大会8位


  昨年の第11回世界大会から1年ぶりに試合に出場する荒田選手にとって、今回のルール改定がどう影響するのかというのが一つの見所になります。荒田選手は184cm、100kgの日本選手としては比較的大型の体格を活かしたパワフルな攻撃が一番の武器で、若い頃は相手に攻撃の時間を与えないほど強いプレッシャーをかけて前に出て、数々の格上の強豪選手を下してきました。その彼が今や29歳とベテランの域に達し、組手をどう変化させているのか、また改定されたルールをどう活用して戦っていくのかという点が非常に興味深いのですが、もともと荒田選手は相手との攻防の中で一瞬のスキを逃さずに足掛けで崩す技術を持っていました。下段蹴りにパワーがあるので、多少タイミングが悪くても強引に相手の足を刈って、相手が崩れて死に体となり、荒田選手が下段突きから残心を示せば技有りになりますから、こういった攻防では荒田選手が非常に有利になると考えられます。
 また一見、荒田選手は不器用に見えますが、上段への蹴りもできるし、後ろ蹴りなどの回転系の蹴りも使いこなせますから、その意味でこのルール改定が彼の組手に不利に働くということはないでしょう。
 ただし、これまでは打たれ強いことが過信となり、自分の攻撃に集中するあまり、ガードの意識が低く、決定的なダメージに至らないまでも顔面に蹴りを当てられるシーンが目立ちました。その点をこれまでのように甘く見ていると、上段蹴りのクリーンヒットからの残心で技有りを取られてしまうので、注意してほしいところです。
 荒田選手のBブロックにはエルダー・イスマイロフ選手(ゼッケン48番)、アントン・グリエフ選手(ゼッケン49番)という海外の強豪選手がエントリーしていますが、先に述べた上段へのクリーンヒットという注意点はあるにせよ、荒田選手の馬力と打たれ強さをもってすれば決して怖い相手ではありません。むしろ、要注意なのは、例えば1回戦の対戦相手である亀井元気選手(ゼッケン63番)のような若くて打たれ強さを持った選手の場合、延長まで粘られてそのまま体重判定(有効差10kg)で敗退という可能性もゼロではありません。仮に準々決勝の相手が竹岡拓哉選手(ゼッケン33番)だとすると、80kgの竹岡選手がヒットアンドアウェーを巧みに使った攻防で引き分けに持ち込めば、そこで体重判定ということもあり得ます。
 とはいえ、2011年の第10回世界大会から昨年の第11回大会までの4年間、日本を背負ってきたのは荒田選手ですし、どんなに調子が悪い、組手に変化が見られないと言われても、必ずベスト4やベスト8の成績を残してきたのですから、他の選手よりも抜きん出た実力があることは間違いありません。今大会で悲願の大輪を咲かせるのか、それとも世代交代の波に飲まれてしまうのか、ぜひ注目したいと思います。(日本代表監督/木山 仁)

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