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 新年、あけましておめでとうございます。
平素は極真会館の活動を支援いただき誠にありがとうございます。この場をお借りして謹んで御礼申し上げます。

 昨年2014年は、国際空手道連盟 極真会館は創立50周年を迎えると同時に、創始者である大山倍達総裁が逝去されて20年という節目の年でした。また創立50周年を記念して、4月に世界チャンピオンのタリエル・ニコラシヴィリ選手の百人組手と国際親善大会、6月に全日本ウェイト制大会、そして11月に第46回全日本大会と創立50周年記念パーティーといったイベントを催し、それらすべてを無事に終えることが出来ましたのも、偏に日頃から我々の活動を支持して頂き、御協力賜ります会員の皆様始め多くの方々、そして株式会社SANKYO様はじめ御協賛各社の御支援の賜物であり、深く感謝申し上げる次第であります。

 そして本年2015年には、「第11回全世界空手道選手権大会」が開催されます。4年前に10回大会という一つの区切りを終えて、創立50周年を経て次の50年に向けて初めて開催される無差別世界大会という意味で、新たなスタートラインに立つ大会であります。

 昨年11月には世界大会の出場権を争う第46回全日本空手道選手権大会が開催され、決勝ではロシアのダルメン・サドヴォカソフ選手が日本の荒田昇毅選手を下して、外国人選手として全日本大会史上3人目の王者となりました。サドヴォカソフ選手に関して言えば、彼は総本部の内弟子として修行した期間もありますし、ベテランで高い志を持って活動を続け、これまで国際的なビッグタイトルに何度も挑戦を続けて優勝を得られなかった中で、今回初めて全日本大会で優勝したことは大いに賞賛されるべきことだと思います。
 

 一方、敗れた日本は、前年に安島喬平選手が第45回大会で優勝して空手母国日本の復活を印象付けただけに、世界大会を1年後に控えて日本の代表選手を選抜する大会での今回の結果は、選手・指導陣に猛省を促さなければいけませんし、“檄”を飛ばす必要があると思います。
しかしながら、本大会では少年部から選手として活動してきたユース出身の10代、20代前半の若い選手の活躍も目覚ましく、今後はさらに選手層の新陳代謝がはかられていくものと思われ大いに期待のできる大会でもありました。

 世界大会は、2007年第9回、2011年第10回大会と2大会連続で外国人チャンピオンが誕生していますが、今回日本代表となった5名の選手を中心に、日本は世界王座の奪回に向けて邁進していくことになります。日本が空手母国の威信を取り戻し、再びリーダーシップを取っていくためには、現在のトップ選手はもちろん、全国の選手たちのレベルアップと若い選手の成長が望まれます。また現在少年部やユースで頑張っている選手達は、それらトップ選手を目標にして、未来の全日本チャンピオンや世界チャンピオンを目指してほしいと思います。

 また、一方で、空手といえば前述のような一般成年男子による激しい組手試合が象徴とされていましたが、時代の流れとともに少年少女から中高年、壮年まで老若男女を問わずあらゆる世代の人々に受け入れられ、入門者や競技会への参加者が激増し、組織自体も発展を遂げてまいりました。

 ここで改めて言えることは、極真会館は武道団体であり、極真空手は武道空手であるということです。武道である以上、空手の修行を通じて心身ともに健やかなる成長を遂げなければなりませんし、それを多くの人々に波及していかなければいけません。それによって社会に貢献できる団体であるべきで、特に健全な青少年育成という点において、武道として取り組むべきことは、社会体育的教育機関として、未来を担う子どもたちを育て、社会の健全化の一助にならなければいけないということです。

 創立50周年を経て極真会館が今後どういった道に進むべきかといえば、これまでの象徴でもあった「最強」「一撃必殺」といった武術の理想を失うことなく、社会に貢献する武道団体として本来の姿に立ち返り、地道にそれらの活動を続けていくことに他なりません。それが我々に課せられた責務なのです。

 また、具体的な社会貢献の一環として2011年3月11日の東日本大震災以来、極真会館では国内すべての大会やイベントを「東日本大震災 義援金チャリティー」として開催し、多くの皆様から御協力いただいた義援金や募金活動で集められた義援金を、日本赤十字社を通じて被災した各地にお送りさせていただきました。被災地は、震災から4年が経過しようとする現在も困難な状況にあることに変わりありません。被災者の方々の生活が少しでも改善され、被災地に本当の意味での復興の日が訪れることを願い、極真会館では今後も継続して支援活動を行ってまいりたいと思っておりますので、引き続き皆様にも御理解・御協力をお願い申し上げたいと思います。

 極真会館は、2011年を『極真会館・命知元年』と定めて、震災のちょうど2カ月前にあたる2011年1月11日に、「極真会館は、世界平和を目指し、武道空手道の普及による社会体育活動を通じて、社会に有用たる人材の育成に努める」という団体活動目的と、「最強求道の志・相互互恵の志・永続繁栄の志」という3つの団体活動指針を公式表明いたしました。これは激動する現代社会において、極真空手を学び稽古することで我々は、何を目指し、何を社会に還元できるのか、未来に向けて我々が今何を為すべきかについて、明確に示したものです。また、極真会館の理念は「頭は低く、目は高く、口を慎んで心広く、孝を原点として他を益する」というもので、これは大山総裁が我々に教示した「親に孝行する者が社会に奉仕し、社会に奉仕する者が国家に忠誠を尽くす」という教えの根幹を成すものです。そして、この精神こそが、「国家、人種、宗教、民族、政治、思想等あらゆる差別や偏見、垣根を乗り越えて世界の和合を実現できる」という師の教えを、先述の「命知元年」で示した活動指針に照らし合わせながら、国際交流や世界平和への貢献を主旨とした世界大会をはじめとする日々の活動の場を通じて実践していきたいと考えています。また先の震災で被害に遭われた方々や被災地の復興支援という目標を掲げ、長期的な視野にたって社会に有用たる団体活動を行っていく所存でいます。

 さて、今年のイベントとして現在決定しているのは、毎年の恒例行事として、4月に「2015国際親善空手道選手権大会」、6月に「第31回全日本ウェイト制空手道選手権大会」、8月に「2015極真祭」、11月に「第11回全世界空手道選手権大会」と世界大会と連動させて世界から集まった極真の門下生が参加できる女子・壮年・青少年の大会の同時開催を予定しています。また、各支部・道場主催による大会やイベントも例年通り開催されますので、皆様にはぜひとも有意義なものとしてご活用いただき、今後も皆様と共に極真会館の活動に邁進していきたいと思っています。

 本年が皆様にとって実り多く、健康で幸せな一年となりますよう心から祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。
 2015年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2015年1月1日
国際空手道連盟 極真会館
館長 松井章圭