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 11月2日(水)、総本部代官山道場において「八巻建志氏の極真会館復帰と総本部師範就任、岩﨑達也氏が主宰する剛毅會空手の(賛助会員としての)国際空手道連盟加盟についての記者会見」が実施され、松井章奎館長、八巻建志師範、岩崎達也宗師の3名が出席した。
 最初に松井館長から「(無差別の)世界大会優勝、全日本大会優勝、全日本ウェイト制大会優勝、100人組手完遂という極真会館で唯一のグランドスラム達成者である八巻建志氏が、長らく極真会館を離れてアメリカで活動していましたけれど、2年前に日本に戻られて、今般、国際空手道連盟極真会館に復帰すると同時に総本部師範に就任していただくことになりました。また、第7回・第12回全日本ウェイト制重量級優勝者の岩﨑達也氏が主宰する剛毅會空手が国際空手道連盟の賛助会員として加盟することになりました」と今回の記者会見の主旨が語られた。


 続いて八巻師範から「松井館長とのご縁で20年ぶりに極真会館に戻ってまいりました。この20年間、『極真』を名乗ることはなかったのですが、心の中には常に『極真』があり、大山総裁が常々言われていた『極真は最強でなくてはいけない』という言葉を胸に活動し、いつどんな相手であろうと、いかなる場所であろうと負けるわけにはいかないという気持ちで日々鍛錬をしてきました。私がやってきたものを少しでも伝えられればいいと思っています」と挨拶があり、岩﨑宗師は「21年前に極真会館を離れて自流を興し活動してまいりましたが、『極真』を否定して出て行ったわけではなく、自分の理想とする『極真』を自分なりに確立したいと思ってやってきました。その活動が少しでも松井館長に認めていただいたことで、今回、賛助会員として国際空手道連盟に加盟することになったと思うと、大変光栄に思います。『極真』というのは競技ではなく、価値観であり、思想であり、哲学であると。それをやるに当たって、やはり大山総裁の後継者である松井館長の極真会館を抜きにして語ることはできないと思っていますので、そういった方向に関して自分なりに何らかの協力ができればと思っております」と述べた。

 八巻師範が復帰した経緯について松井館長は「どちらからでもなく自然な形で母体に戻ることになったというのが実際のところです。2年前に八巻師範が日本に戻られた際に挨拶に来ていただき、その後は組織的な話は一切なく、ときどき会って食事をするような状況が続いていたのですが、その会話の中で『気持ちはいつも極真だった』、『大山総裁の志を胸に異国で多年にわたって頑張ってきた』という話を聞き、私もそれには非常に感銘を受け、共感を覚えました。これは私も八巻師範も岩崎宗師も共通した意識だと思いますが、『極真』というのはそういうものだと。そういった流れがあって、本日、の会見が実現したというところです。もちろん、八巻師範がこれまでやって来たことを極真会館に還元してほしいという希望もあります。だからといって、ぜひウチに戻って来てくれと勧誘したこともありません」と語り、岩﨑宗師を含めた3人の席では「私自身、館長という立場を抜きにして、我々3人の間で積極的に話されたのは、『自分たちは極真である』ということ。その経緯の中で、それが具体化したということですね」と話された。

 八巻師範がこれまで活動していた「八巻空手」については、八巻師範より「名称は八巻空手でしたが、もともと極真ですからやることは変わりません。今の中野の道場も極真会館八巻道場として続けていきます」と語り、記者から復帰における抱負を訊ねられた際には「日本に戻って来て感じることは、日本に元気がない、空手界も私がいた頃に比べて盛り上がっていないと思うので、微力ながら少しでも盛り上げられたらと。空手界に恩返しがしたいという気持ちが凄くあるので、少しでもその役に立ちたい。本当に強い空手を取り戻したいというのと、年配の方でも空手をやることで健康になれるということを感じてもらえたらと思います」と語った。

 八巻師範が「強い空手」と表現したことについて、松井館長は「強さについて、我々3人に共通しているのは、競技で勝つ強さも含みますが、それだけではありません。極真会館は『競技団体』ではなく、『武道団体』です。その武道性を第一義にした強さ。心・技・体や理念といったものを含めた上で、また、八巻師範が言われた心身ともに健康でなければならないということも含めた上での強さですから、競技的な強さだけに囚われていただきたくはありません」と補足した。

 また、剛毅會空手の賛助会員について、松井館長は「賛助というのは、『主旨に賛成して助力すること』ですから、国際空手道連盟の活動の主旨に賛同してそれに助力する、国際空手道連盟の一員になってアドバイスをいただいたり、尽力していただくということになると思います」との説明があった。

 剛毅會空手の活動について岩﨑宗師は「昭和44年に第1回全日本大会が開催された年に、我々の大先輩である黒崎健時先生が目白ジムを興されました。そして大沢昇先生と打倒ムエタイを掲げて活動されたのですが、それは極真という枠組みの中でやることではないということだったのではないかと思います。だからと言って黒崎先生や大沢先生を極真ではないと思う人間は誰一人いないわけで、私の向く方向性としては今までと変わらず、稽古は武術、試合はMMA、最高峰のUFCチャンピオンを輩出するというのを最大の目標として引き続き活動していきたいと思っています」と話され、松井館長からは「組織にはルールがあり、風紀を乱さず秩序を保つことが大事ですが、それを守っているのであれば、極真会館ではフランシスコ・フィリォ選手がK-1に出場して以降、プロ活動を是認していますし、現在もキックボクシングのリングに上がっている選手やMMAの試合をしている選手もいます。ですから、プロ活動や他競技への挑戦を否定するという意識は全くありません。先ほど、岩﨑宗師から黒崎先生や大沢先生の話が出ましたが、そのような視点から岩﨑宗師にアドバイスをいただくこともあると思います。また、我々はプロ活動だけでなく全空連との友好化に象徴されるようにポイントシステムによる空手ルールも是認しています。しかし、だからと言って極真会館の空手がポイント制のノンコンタクトになることはありませんし、プロ活動の団体になることはありません。組織としての根幹がぶれることは一切ありませんが、その価値観を否定するものでもありません」との話があった。

 八巻師範の今後の活動について松井館長は「八巻師範には総本部師範に就任していただくことになりましたが、私は立場的な役割の中で現場の指導になかなか時間を割けないのが現状なのですが、それを補って余りある人選だと思います。国際的に見た時に空手母国である日本、その組織の中核を成す総本部道場はやはり求心力がなければいけないと思いますし、その点で八巻師範は極真のレジェンドですし、20年間アメリカという厳しい環境で活動されていましたから、その経験も踏まえて現場の指導はもちろん、彼の立ち居振る舞いに皆が触発されると思います。私は彼に全幅の信頼を置いていますし、今後に期待しています」と語り、岩崎宗師に対しては「彼なりに様々な経験を積んで、我々の踏んでいない舞台も経験していますから、色々な助言を得られればと思います。今回、岩﨑宗師が賛助会員という形であっても極真の精神を持って国際空手道連盟の一員として参加してくれることは、組織的にも個人的にも大きな影響力があると思います」と語った。

 来たる11月20日には第54回全日本空手道選手権大会が開催されるが、松井館長から極真オンラインによるライブ配信の解説を八巻師範と岩﨑宗師(もう一人、木山仁・全国選手強化委員会委員長)が務めるとの発表があり、八巻師範は「選手たちには極真らしい試合、みんなが見ていて憧れるような試合をしてほしい」と語り、岩﨑宗師は「選手の皆さんには、自分たちは極真空手をやっているんだと。大山総裁が創った直接打撃制空手の本家で試合をやっているという誇りと自覚を持って戦っていただきたい」と期待を込めた。

 松井館長は「現在、一般的に世間で言われるフルコンタクト空手と現在の極真会館の競技空手は全く異質のものになっています。我々が行ったルール改定は、フルコンタクト空手の起源である1969年の第1回全日本大会からの初期の試合に原点回帰したルール体系を明文化したもので、現在の一般的なフルコンタクト空手で有効とされている技や技術で、禁止にしたものは一切ありません。全ての格闘競技において、実戦をそのまま競技化することはできませんが、全ての競技がその延長線上に『実戦』を想定できなければ格闘競技とは言えませんから、試合において『実戦性』を重視すること。そして競技である以上、技を競い合う『競技性』がなければいけない。もう一つは試し合いですから『安全性』を確保する。そして、我々は武道団体ですから、その場を尊重して相手を尊敬するという意味での礼儀作法も含めた『武道性』や『精神性』がその競技に反映していなければいけない。それを明文化して示したものが現在のI.K.O.極真ルール(I.K.O.フルコンタクトルールから改定)であって、大会・試合・競技と共に武術・武道としての『心・技・体』、それら全てを含んだものが『極真空手』であることを認識していただきたいと思います」と語ってこの日の会見を締め括った。

【11月20日/第54回全日本大会 ライブ配信】
「KYOKUSHIN ONLINE」、またはサイト内のサブスクリプションサービス「極真プライム」にて配信
KYOKUSHIN ONLINE URL:https://www.kyokushin.net
極真プライム URL:https://www.kyokushin.net/subscription
・年間プラン・5500円/年(月間プランよりも最大2ヶ月分お得)
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解説/八巻建志(極真会館総本部師範/第6回世界大会優勝者)
    岩崎達也(剛毅會空手宗師/第7回・第12回全日本ウェイト制大会重量級優勝者)
    木山仁(極真会館全国選手強化委員会委員長/第8回世界大会優勝者)

※詳細は後日ホームページにて

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