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会員の皆様

地球規模での新型コロナウイルス感染症拡大にあたり、健やかな日常から遠ざかってしまった皆様方に心からお見舞い申し上げます。

先ず2020年の年明け早々から急速に世界中に感染が拡大した新型コロナウイルスによって亡くなられた全ての方々に哀悼の意を表すとともに、現在罹患され治療中の皆様には正体不明の病に侵されて大きな不安の中にいると思いますが、ぜひ強い心を持って一日も早くお元気になられることを心から祈っております。そして、世界中で大きなリスクを負いながら、各々が置かれた社会的責務の中で治療と感染拡大防止にご尽力されている医療従事者の皆様、保健所や行政の関係者の皆様には心からの敬意と感謝を申し上げます。

あらためて極真空手を志す皆様には、未知のウイルスとの闘争の中に身を置かざるを得ない状況の中で、極真の精神をもって毅然とそこに立ち向かって頂きたいと思います。武道というのは、人の生き様の構築という言葉に置き換えられる部分があります。先の見えない、まだまだ収束の見通しの立たない状況ではありますが、日々の生活の中で慎むべきを慎み、まさに「孝を原点として他を益する」の精神の通り、自分自身と自分を取り巻く大切な人たちの感染を抑止し、少しでも社会の健全化に寄与するような行動を取って頂きたいと思います。

たとえ従来のような稽古はできなくても、免疫力を高めるため、あるいは精神的ストレスや運動不足を解消するためにも、日々の鍛錬は不可欠です。そして、大山総裁が常々我々に教示されたように、武道を志す者は常に身の回りを清潔に保つように心掛けて下さい。

現状は、個々人の不安が大きな社会的不安にもつながっています。一つは健康を侵されてしまう不安、もう一つは経済的に生活を営んでいく上での不安など、諸々の不安がありますが、これもまた大山総裁の教えの通り、できるかできないかではなく、するかしないかを決意するという精神で、一人一人が感染拡大防止に努めていくことで、必ずや近い将来、世界中がウイルスに打ち克ち、笑顔で健やかに過ごせる日々を取り戻せると信じております。

2020年東京オリンピック・パラリンピックも約1年の延期が決定し、4月に開催が予定されていた国際親善大会をはじめとする極真会館の恒例行事も軒並み中止や延期を余儀なくされ、大変残念なことではありますが、近い将来大会で一堂に会する日を希望を持って待ちましょう。また、4月13日に三峯神社で予定していた大山総裁の二十六年慰霊祭までもが今年は中止となりました。是非、命日である4月26日には、全ての門下生に大山総裁を偲んで頂きたいと思います。

こういった困難な状況ではありますが、我々、国際空手道連盟極真会館も、そこに関わる全ての個々人も、この難局を乗り越えることによって、組織として、また皆さん一人一人が、ひと回りもふた回りも成長できるように、現在を過ごして頂きたいと思います。

我々は、大きな一つのチームです。
その気持ちを常に心に持ち、皆で頑張っていきましょう。また元気で再会できる日を楽しみにしています。押忍。

2020年4月20日
国際空手道連盟 極真会館
館長 松井章奎