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 11月22日(金)23日(土)24日(日)、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザにて「第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」(同時開催/2019世界女子空手道選手権大会/2019ワールドエリート空手道選手権大会)が開催され、男子世界大会に166名、女子世界大会に34名、計200名の選手が出場して体重無差別の極真空手世界一が争われた。

▼男子3回戦
〇イカロ・ナシメント(ブラジル)
技有り優勢勝ち ※足掛け下段突き
×キリル・コチュネフ(ロシア)

▼男子5回戦
〇イゴール・ザガイノフ(ロシア)
一本勝ち ※左上段廻し蹴り
×鎌田翔平(日本)

 男子は初日1回戦、2日目に2回戦と3回戦が行われ、3日目の4回戦に進出したのは、ロシア14名、日本13名、フランス1名、ポーランド1名、スペイン1名、ブラジル1名、アメリカ1名の計32名。優勝候補にも挙げられていた前回世界大会4位キリル・コチュネフ(ロシア)は3回戦で210cm、145kgの大型新人イカロ・ナシメント(ブラジル)に足掛け下段突きで技有りを取られて敗退した。

▼男子準々決勝戦
〇オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア)
技有り優勢勝ち ※足掛け下段突き
×イゴール・ザガイノフ(ロシア)

▼男子準々決勝戦
〇髙橋佑汰(日本)
判定勝ち
×星龍之介(日本)

▼男子準々決勝戦
〇アンドレイ・ルジン(ロシア)
判定勝ち
×荒田昇毅(日本)

▼男子準々決勝戦
〇上田幹雄(日本)
技有り優勢勝ち ※左上段廻し蹴り
×コンスタンティン・コバレンコ(ロシア)

 決勝戦が行われる3日目は、5回戦で第48回全日本優勝者の鎌田翔平(日本)がロシアの新鋭イゴール・ザガイノフに左上段廻し蹴りで一本負けするなど、次第に白熱した展開となり、準々決勝戦にはザガイノフ、オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア)、髙橋佑汰(日本)、星龍之介(日本)、荒田昇毅(日本)、アンドレイ・ルジン(ロシア)、コンスタンティン・コバレンコ(ロシア)、上田幹雄(日本)が勝ち上がり、まずイエロメンコがザガイノフに対し、先輩の貫禄を見せて技有り優勢勝ち、髙橋は星と対戦し5-0判定勝ち、荒田はルジンと好勝負を繰り広げたが惜しくも4-0の判定で敗れ、昨年全日本王者の上田はコバレンコに左上段廻し蹴りで技有りを取って優勢勝ちを収めた。

▼男子準決勝戦
〇オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア)
再々延長戦 判定勝ち
×髙橋佑汰(日本)

▼男子準決勝戦
〇上田幹雄(日本)
技有り優勢勝ち ※左上段膝蹴り
×アンドレイ・ルジン(ロシア)

 続く準決勝戦、イエロメンコと髙橋の試合は本戦、延長、再延長でも決着がつかず、試割り判定は17枚―17枚の同数、体重判定でもイエロメンコ95.5kg、髙橋94.5kgと10kgの有効差に届かず再々延長戦が行われ、5-0の判定でイエロメンコが決勝に進出。上田vs.ルジンは上田が左上段膝蹴りを決めて技有りを奪い優勢勝ちで決勝に進んだ。



▼男子3位決定戦
〇アンドレイ・ルジン(ロシア)
判定勝ち
×髙橋佑汰(日本)

▼男子決勝戦
〇上田幹雄(日本)
試割り判定勝ち
×オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア)

 3位決定戦は、ルジンが疲れの見える髙橋を4-0の判定勝ちで下して3位。迎えたイエロメンコと上田の決勝戦は、両者とも3日間で8試合目となるがその疲れも見せず激しい攻防を展開。本戦0-1(上田)、延長1-0(イエロメンコ)、再延長1-0(イエロメンコ)の判定で規定の3本以上の旗が挙がらず、試割り判定の結果、17枚のイエロメンコに対し、23枚を割った上田が初の世界チャンピオンに輝き、日本選手が2003年第8回大会の木山仁師範以来16年ぶりの王座奪還を果たした。

 試合後の優勝者インタビューで上田は「何としても日本が王座を取り戻すと有言実行できたことを嬉しく思います。今回、優勝できましたが、自分は決して強いわけではなく、極真会館や周りで支えてくれる方々が今の自分を育ててくれたと思っています。これから4年後の世界大会でも2連覇を目指して空手修行に励んでいきたい」と決意を語った。

 2016年のルール改定後初の無差別世界大会ということでも注目された今大会だが、松井館長は大会後の総評で「技術的に見れば、間違いなく進化していることが認識できましたが、まだまだ発展途上にあります。その意味では優勝した上田選手も全体的に進化していますが様々な面で発展途上であると思います。4年後を目指す選手たちはさらなる進化を目指して精進してほしい」と期待を込めて語った。

 同時開催された世界女子大会は、4回戦で佐藤七海(日本)が前回大会優勝者で世界ウェイト制重量級6度優勝のウリアナ・グレベンシコワ(ロシア)を破る金星を挙げ、準決勝戦でも2017年&2019年オールアメリカン国際大会優勝のアナスタシア・カサノワ(ロシア)を破り決勝に進出。昨年全日本女子優勝の永吉美優(日本)は準決勝で2017年ヨーロッパウェイト制女子中量級優勝のシャイネス・エルハイモワ(フランス)を下し、決勝戦は昨年全日本女子と同じく、永吉vs.佐藤の顔合わせになった。

▼女子3位決定戦
〇シャイネス・エルハイモワ(フランス)
優勢勝ち ※カサノワに減点1
×アナスタシア・カサノワ(ロシア)

▼女子決勝戦
〇永吉美優(日本)
試割り判定 ※猿臂…永吉が4枚成功、佐藤は4枚失敗
×佐藤七海(日本)

 昨年は永吉が再延長戦で判定勝ちしたが、今回は本戦0-0、延長1-0(永吉)、再延長1-1と互角の展開で、勝負はサドンデスの試割りに。猿臂で両者4枚を申告し、最初の試技で永吉が成功、続く佐藤が惜しくも失敗となり、永吉が昨年全日本に続いて連覇を達成した。

 大会初日の開会式では友好団体である公益財団法人 全日本空手道連盟の笹川堯会長が来場されご挨拶をいただいた他、3日目の男子3位決定戦前には大会祝賀演舞としてシンガーソングライターの清貴さんとクワイアチームのメッセージソング、タップダンサーのHIDEBOHさんと激団HIGUCHIのタップショーが披露され、歌声とタップのパワフルなコラボレーションに会場から大きな拍手と歓声が送られた。また、大会期間中は中台製作所様の提供により御神輿が会場で飾られた。

なお、今大会の模様がBSフジにて12月8日(日)、12:00(~13:55)より放映されます。ぜひご覧ください。

◎第12回世界大会&世界女子大会結果

◎ワールドエリート大会結果