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公益財団法人 全日本空手道連盟の講師の指導による第61回目の講習会が11月18日(土)本部直轄代官山道場にて実施された。
15:00からの形(型)講習は、今回は和道流の志村耕一先生によるセイシャンの指導が行われた。セイシャンは和道流がスタートした9月から5回の講習が行われ、今回は総合的なまとめの指導となった。
最初に手順を思い出すように先生の号令に合わせて2回ゆっくりと行い、続いて一つ一つの動作の意味を先生が説明し、細かく動きや技の解説を交えながら1回、次に無号令で一回行った。
小休止を挟み、先週まで講習会で指導を受けたチントウを号令あり、無号令でそれぞれ1回ずつ行い、先生は「チントウはバランスを取るのが非常に難しい形ですが、セイシャンはチントウに比べればそれほど難しくないのでしっかりと覚えてください」との話があり、再びセイシャンの指導で、今度は形の中に出てくる立ち方やすくい打ちから四股立ちに移るところなどの部分稽古が行われた。
続いて2人組になりセイシャンの前半に出てくる肘受け、掛け受けから落とし受け、後半に出てくる3方向の相手の上段突きの攻撃に対する手の受けから左右二度突きの返し、さらに三日月蹴りで相手の手を払う動作の分解を行い、志村先生からは「力で受けるのではなく、力を抜いてリラックスした状態で体全体を使って受けると、速くて正確な受けができます。和道流では無駄な動作は一切ないので、受ける時は攻撃する時だと思って即座に技を返してください」との説明があった。
また、「形は常に相手を想定してやること。相手を想定すると形がきれいに決まります」と話されて、先ほどの分解での動作をイメージしながら、セイシャンを通して2回行い、その後は質疑応答の時間が設けられ、講習生の質問に先生が答える形式で講習が進んだ。
先生は「私の講習は今日が最後になりますが、和道流の立ち方や動作、空手に対する考え方などが、今後の皆さんの稽古の中に活かしていただけたらとても嬉しく思います」と挨拶されて指導を終えた。

16:30からの組手講習は土佐樹誉彦先生の指導で、最初に「組手で大事なのは間合いです。相手との距離を意識することで自分の技が入り、逆に相手に技を当てさせないこともできます」と話されて、2人組での打ち込みからスタートした。まず攻撃と受けに分かれ、まず一本の攻撃から始まり、二本、三本、四本、五本と増えていき、先生からは「組手の最中は絶対に相手から目を離さない。またその場に居付かないことを意識してください。相手に近い距離で動きを止めないこと。動きを止める時は相手の攻撃が届かない距離まで間合いを切った時です」と注意があった。
次に相手との距離の取り方では、「正面を向いたまま下がるのでは遅くなるので、へそを真横に向けるくらい半身になってサイドステップの要領で下がるとスピードが速くなる」との指導があり、実際に講習生同士で距離を取るステップの練習も行われた。
その後はどちらかがポイントを取るまで続ける打ち込み稽古が行われ、先生が随所でその局面に合わせた解説と指導があった。
この日で土佐先生の講習も最後となり、先生は「組手で気を付けてほしいのは、その場に居付かないこと。相手の攻撃を体で受けるのではなく、相手が拳ではなくナイフを持っていると思って、自分の攻撃は確実に当てる、相手の攻撃は絶対に当てさせないという意識でこれからも稽古に取り組んでいただければと思います。1年半という短い間でしたが、ありがとうございました」と話されてこの日の講習会は終了した。
次回の講習会は来週11月25日(土)に行われる予定である。