松井館長の閑話休題

 先日開催された「第46回全日本大会」を、多くの皆様に御来場いただき、無事に2日間の日程を終了できたことは、偏に日頃から我々の活動に賛同し、御協力くださる関係各位の皆様、また会員の皆様、そして株式会社SANKYO様はじめ御協賛各社の御支援の賜物であり、深く感謝する次第であります。

 また、今大会終了後に創立50周年の記念パーティーを催しました。発起人の方々、ご来賓の方々をはじめ、当日ご来場いただいた方々には心から感謝しております。
極真会館は創立50周年という節目を迎えましたが、大きな時の流れの中で見ればまだまだ新興団体と捉えるべきですから、この50年を契機に100年、200年、大山総裁が言われたように「未来永劫」引き継がれていくような団体にしていかなくてはいけません。

 この50年の間には、空手ブームがあり、格闘技ブームがあり、そういった追い風に背中を押されて成長した部分もありますが、現在そういったブームも終焉を迎えて、今は老若男女を問わず、また社会的立場を問わず、一時代前の空手に対する偏見も払拭されてきたという環境の中で、改めて健全な武道として社会体育や徳育といった形で青少年育成の役割を担っていく意識を明確にする分岐点の時期にあるとも言えます。

 50周年を迎えて強調したいのは、極真会館とは一つの町道場ではなく町道場の集合体であるということです。一つ一つの町道場が支える団体ではありますが、国内はもちろん、世界にも大きな広がりを持つ団体であるということ。そのことを各道場の支部長や責任者が、組織に帰属する個という意識を持って日々の活動に取り組むことが大切になってきます。

 空手の技術や精神や体力、そして社会活動において、年齢、性別、国家、人種、民族、政治や思想、宗教を超えて誰もが情報を共有できるということが、極真会館の極真会館たる所以なのです。そのことを我々は認識した上でこの先の50年を歩んでいかなければいけません。

 そして来年2015年は、第11回世界大会が開催されます。4年前に第10回大会の区切りを終えて世界大会もこ11回目を迎え、極真会館自体も創立50周年を経て、次の50年に向けて歩き出すということを考えると、来年はまさに新しいターンに入る節目の年であり、節目の世界大会だと言えます。前回優勝したタリエル・ニコラシヴィリ選手は今年4月に百人組手を完遂しましたが、若くして引退を表明しました。また、同様に前々回の優勝者で前回ニコラシヴィリ選手と決勝を争ったエヴェルトン・テイシェイラ選手も出場しません。ということですから、先の全日本大会で優勝したサドヴォカソフ選手をはじめ現在世界のトップにいる選手全員が優勝候補であると言えると思います。

 特に昨年4月の世界ウェイト制大会以降、日本のみならず世界的に10代の若い選手たちの活躍が顕著に現れてきました。彼ら若い選手達は我々が団体を引き継いだ第2次極真会館で純粋に育ってきた選手たちですから、そういった彼らが表舞台に立って初めて開催される世界大会でもあるわけです。

 彼らはほとんどが幼い頃に空手を始め、青少年大会で経験を積み実績を上げて一般の大会でも頭角を現してきました。そして、今、青少年の部で頑張っている選手たちが一般の大会に出場できる年齢になれば、さらに多くの選手が大会に出場し、選手層はさらに厚くなっていくことでしょう。その時に我々がすべきことは、選手たちが活躍できる場を提供し、各々の選手たちを未来に向けて成長させていくことだと思います。その意味で来年の第11回世界大会を新たなスタートラインとし、4年後第12回大会、8年後第13回大会を見据えて極真会館の選手層の充実と心技体のレベルアップを図っていきたいと思います。

国際空手道連盟 極真会館
館長 松井章圭