【レポート】第56回全日本空手道選手権大会
2024年12月2日
11月30日(土)12月1日(日)、東京都体育館にて「✚日本赤十字社 災害義援金チャリティー 第56回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」が行われ、男子89名・女子30名の計119名の選手が出場。また、今大会は1994年に逝去した大山倍達総裁没後30年と1964年に創設された国際空手道連盟極真会館の創立60周年の記念大会として開催され、体重無差別の空手日本一の座が争われた。
試合は、男女ともに初日に1回戦、2日目に2回戦から決勝戦まで行われ、2日目の予選で男子は全日本ウェイト制軽重量級優勝者の山上大輝(東京城北支部)、同中量級優勝者の飯塚翼(東京城北支部)、ヨーロッパ・ウェイト制軽重量級優勝者のナヴァロ・アレハンドロ(I.K.O.スペイン)が敗退。ベスト8進出を懸けた4回戦では全日本ウェイト制軽量級優勝者の樋口知春(総本部道場)が全ロシア大会中量級優勝者ポリアコフ・イリア(I.K.O.ロシア)に挑み結果的に下段突き2つの合わせ一本で敗れたが軽量級ながら無差別でベスト16に進出するなどの健闘が光り、大秦稜司(京都支部)は25cm・30kgの体格差のあるゴリウシキン・ダニル(I.K.O.ロシア)に延長まで粘ったが下段突きで技有りを取られて敗退。谷川蒼哉(総本部道場)は大型新人の田水春樹(東京城西支部)に判定勝ちで初のベスト8入賞を決めた。
また全日本ウェイト制大会入賞者の徳田寛大(大阪南支部)、西村大河(東京城北支部)、小林健人(東京城北支部)、大秦零司(京都支部)はいずれも外国人選手と対戦し、判定負けで姿を消した。特に小林は体格差のある相手や元全日本王者ナヴァロを破るなどの活躍を見せたが惜しくも4年ぶりのベスト8を逃した。
男子準々決勝、まずAブロックは全日本ウェイト制重量級優勝者の荒田昇毅(千葉海浜支部)とポリアコフが再延長にわたる熱戦を繰り広げ、最後は荒田が4-0判定勝ち。続いてBブロックは谷川がゴリウシキンに善戦したものの、3-1僅差判定で敗れ、Cブロックは前年第13回世界大会7位のエキモフ・マクシム(I.K.O.ロシア)と同4位のトゥセウ・アントニオ(I.K.O.フランス)の対戦となりエキモフが本戦5-0判定勝ち。Dブロックはトーナメント最後尾のコバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)が20歳の新鋭グセイノフ・ラシャド(I.K.O.ロシア)を寄せ付けず、本戦5-0の判定で下して準決勝に進んだ。
男子準決勝第1試合は、まず荒田がゴリウシキンと対戦。本戦は苦戦を強いられたが、延長で下段蹴りを効かせて一本勝ち。ゴリウシキンの巨体が試合場に崩れ落ちる衝撃の逆転勝ちで場内は大歓声に包まれた。続いて準決勝第2試合はコバレンコがエキモフに突きの連打で攻勢に出て本戦5-0の判定勝ちで決勝に駒を進めた。
男子3位決定戦は、エキモフがダメージの見られるゴリウシキンに本戦5-0判定勝ちで3位入賞。決勝戦は、荒田とコバレンコという優勝候補本命同士の激突となり、序盤から熱戦を展開したが、コバレンコがわずかに上回り、本戦判定4-0で勝利。コバレンコは第52回大会以来、4年ぶり2度目の優勝を遂げた。
2日目の女子は、ベスト4進出を懸けた3回戦で全日本ウェイト制中量級優勝者の小城みなみ(千葉北支部)が全ロシア大会重量級3位のロマネンコ・ダリア(I.K.O.ロシア)に延長3-2の僅差判定勝ち。第13回世界大会3位のザベリナ・エリザベータ(I.K.O.ロシア)は昨年の全日本ウェイト制大会で敗れた本村愛花(東京城東北千住支部)を本戦5-0の判定で破り雪辱。全ロシア大会中量級優勝者のザソリナ・クセニア(I.K.O.ロシア)は知念琉花(神奈川横浜北支部)と再延長におよぶ接戦を制して3-1の判定勝ち。続いて全日本ウェイト制重量級決勝戦の再戦となった宮本神(本部直轄浅草道場)と田崎佑麻(広島支部)の試合は、宮本が延長3-0の判定で再び田崎を退けた。
女子準決勝第1試合、小城は昨年全日本ウェイト制でザベリナに敗れておりこれが再戦だったが、またもザベリナの厚い壁に跳ね返され、ザベリナの5-0判定勝ち。宮本はザソリナに3-0の判定勝ちで決勝進出を決めた。
女子3位決定戦はザソリナが小城に3-0判定勝ち。迎えた女子決勝戦、ザベリナと宮本は第13回世界大会で対戦しザベリナが中段突きで宮本から技有りを奪っており、雪辱に燃える宮本に対し、ザベリナは突きと膝蹴りを主体に攻め込み宮本に付け入る隙を与えず本戦4-0の判定勝ち。ザベリナは今大会全5試合をすべて本戦判定勝ちで決める圧倒的な強さを示して全日本の頂点に立った。
今大会は来年4月に開催される「第7回全世界体重別空手道選手権大会」の日本代表選手選考大会を兼ねて行われ、6月の全日本ウェイト制大会の成績と今大会の結果や試合内容を考慮して後日、男子・女子ともに日本代表選手が正式決定する予定だ。
また、今大会では演武プロジェクトチームによる演武が2年ぶりに披露され、まず五十四歩の型とその分解組手、第13回世界チャンピオン佐藤七海弐段(東京城西国分寺支部)の板四方割り、第48回全日本チャンピオン鎌田翔平支部長(東京城東湾岸支部)の上段廻し蹴りのバット折り、第45回全日本チャンピオン安島喬平支部長(茨城中央支部)の掌底と手刀の瓦割り、最後は第4回&第5回世界ウェイト制中量級2連覇の森善十朗支部長(東京城西下北沢・町田支部)が猿臂(肘)による氷柱割りの演武を行い、観客の大きな拍手を受けた。
✚日本赤十字社 災害義援金チャリティー
第56回オープントーナメント全日本空手道選手権大会
2024年11月30日(土)12月1日(日)/東京体育館
◎第56回全日本大会・男子 トーナメント勝ち上がり
◎第56回全日本大会・女子 トーナメント勝ち上がり
■男子入賞者
優勝 1st Place/コバレンコ・コンスタンティン KOVALENKO KONSTANTIN(総本部道場)
準優勝 2nd Place/荒田昇毅 ARATA SHOKI(千葉海浜支部)
3位 3rd Place/エキモフ・マクシム EKIMOV MAKSIM(I.K.O.RUSSIA)
4位 4th Place/ゴリウシキン・ダニル GORIUSHKIN DANIL(I.K.O.RUSSIA)
5位 5th Place/グセイノフ・ラシャド GUSEINOV RASHAD(I.K.O.RUSSIA)
6位 6th Place/ポリアコフ・イリヤ POLIAKOV ILIA(I.K.O.RUSSIA)
7位 7th Place/谷川蒼哉 TANIGAWA SOYA(総本部道場)
8位 8th Place/トゥセウ・アントニオ TUSSEAU ANTONIO(I.K.O.FRANCE)
敢闘賞/谷川蒼哉 TANIGAWA SOYA(総本部道場)
技能賞/ポリアコフ・イリヤ POLIAKOV ILIA(I.K.O.RUSSIA)
試割賞/ゴリウシキン・ダニル GORIUSHKIN DANIL (I.K.O.RUSSIA=25枚)
新人賞/田水春樹 TAMIZU HARUKI(東京城西支部)
■女子入賞者
優勝 1st Plece/ザベリナ・エリザベータ ZABELINA ERIZAVETA(I.K.O.RUSSIA)
準優勝 2nd Place/宮本 神 MIYAMOTO JIN(本部直轄浅草道場)
3位 3th Place/ザソリナ・クセニア ZASORINA KSENIIA(I.K.O.RUSSIA)
4位 4th Place/小城みなみ KOJYO MINAMI(千葉北支部)
新人賞/岡野結衣 OKANO YUI(茨城支部)