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11月5日(土)6日(日)に開催される第48回オープントーナメント全日本空手道選手権大会まで、いよいよあと1週間となりました。そこで日本代表監督である木山仁師範が、全日本大会に出場するトップ選手の特徴や試合の見所などをわかりやすく解説し、大会まで連載でホームページに掲載していきたいと思います。ぜひ当日会場でのご観戦の参考にしてください。

ゼッケン1番/髙橋佑汰(たかはし・ゆうた)
東京城北支部/弐段
身長181cm/体重94kg/23歳
◎主な戦績
2010年第27回全日本ウェイト制中量級優勝
2014年第31回全日本ウェイト制軽重量級優勝
2014年第46回全日本大会7位
2015年第11回世界大会技能賞
2016年第33回全日本ウェイト制重量級2位

髙橋選手は、90kg台の体重では考えられないような速いスピードと瞬発力を活かした躍動感ある組手が特長的です。彼は右利きですが組手の構えはサウスポーで、前足(右足)の前蹴りをセンサーのように使って相手との間合いを測り、自分が得意とする距離をキープしたり、そこから次の強い攻撃につなげていきます。
 また抜群の瞬発力や跳躍力を活かした跳び蹴りや二段蹴りで相手をかく乱し、その展開から胴廻し回転蹴りにつなげることも彼の中では有効な武器になっています。
 6月の全日本ウェイト制大会で対戦した鎌田翔平選手が髙橋選手の感想を「スピードが速いことは想定していたが、想像以上に蹴り足が伸びてきて(技を)当てられる可能性が高い」と語っていましたが、彼は自分の体を最大限に活かして戦うので、相手にとってみれば181cmの身長以上にリーチの長さを感じることになると思います。
 また彼の長所は、離れた間合いでは上段廻し蹴り、内廻し蹴りといった一撃で倒す蹴り技があり、接近した間合いでも上段膝蹴りというヒット率の高い技を巧みに繰り出せるところです。要は、苦手とする間合いが無く、内廻し蹴りや胴廻し回転蹴りといった倒す技をどの距離、どの角度からでも放つことが出来る。今大会は無差別ですから、160cm台や170cm前半の身長の選手にとっては、非常にやりにくい、場合によっては髙橋選手に触ることさえ出来ずに一方的に試合を終えることも考えられます。
 また、今回のルール改定も髙橋選手にとって、非常に有利になると考えられます。長いリーチから繰り出す素早い上段への蹴り技は、倒すまでいかなくてもクリーンヒットさせる確率はかなり高くなり、その展開から残心を示せば技有りとなるので、これまで以上に試合をコントロールしやすくなるはず。6月の鎌田戦では逆にその展開で技有りを取られて敗退し、ルール改定の怖さを身をもって知ったこともあり、今回はそのようなミスは絶対に許されないと肝に銘じていると思います。
 ただしAブロックには髙橋選手よりも身長が高く上段への蹴り技を得意にする184cmのアントニオ・トゥセウ(ゼッケン16番)がいますから、もし対戦するとなれば一筋縄ではいかないやっかいな相手になるでしょう。
 髙橋選手は記者会見などで、今大会への意気込みについて「必ず世代交代を成し遂げたい」と強い気持ちを示しています。これまで精神面の弱さを指摘されることも多かったのですが、昨年の世界大会を経験したことで、先輩や格上の相手に対しても臆することなく乗り越えていこうという気持ちに溢れています。そして、彼は「2020年東京オリンピックを目指す!」と公言していますから、思う存分に挑戦してほしいですし、その意味でも今大会の活躍はとても楽しみなところです。(日本代表監督/木山仁)

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