試合規則

大会規約/試合規則・I.K.O.極真ルール
(2023年11月現在)

【審判基準】
審判員および審議委員は同等の権限をもって競技の審査に当たるが、競技に関する最終決定はすべて審判長の裁可による。組手時間の規定時間は1試合につき3分(予選は2分)、延長戦は2分とする。ただし、必要と認めた場合は審判長の裁量により、あらためて時間を設定することもありうる。
大会進行は極力予定スケジュールに沿わせるが、やむをえない事態が起きた場合は、審判長・副審判長が協議の上、審判長が変更を指示することができる。審判長は大会進行に関し、大会審議委員会の意見を求めることができる。
【組手と勝敗】
1.組手は原則として1試合3分間(予選は2分)とする。延長戦は同じく2分間とする。
2.組手の勝者は、①一本勝ち、②技有り2本による合わせ一本勝ち、③判定勝ち、④相手選手の反則負け、失格、棄権による勝ち、により決定される。
【一本勝ち】
3.反則箇所を除く部分へ、突き・蹴り・肘打ち等を瞬間的に決め、ダメージを受けた相手選手を3秒以上ダウンさせるか、戦意を喪失させたときは一本勝ちとする。
【技有り】
4.反則箇所を除く部分へ、突き・蹴り・肘打ち等を決め、ダメージを受けた相手選手が一時的にダウンもしくは戦意を喪失し、3秒以内に立ち上がったとき、または、倒れはしないがダメージのためバランスを崩したときは技有りとする。
5.クリーンヒットと残心:上段への蹴り(上段廻し蹴り、上段前蹴り、上段後ろ蹴り、上段後ろ廻し蹴り、上段膝蹴りなど)がクリーンヒットし、転倒やバランスを崩さなくとも、間合いを制しタイミング良く気合いが伴う突きをして明確な残心を示せば技有りとする。
6.中段への蹴り(中段前蹴り、中段後ろ蹴りなど)がクリーンヒットし、相手を瞬時に転倒させ、即座に胴体への当て止め、もしくは顔面に寸止めの気合いが伴う下段突きが決まれば技有りとする。
7.自分の技(足掛け・足払い、相手の技にカウンターの下段蹴りなど)によって、相手を瞬時に転倒させ、即座に胴体への当て止め、もしくは顔面に寸止めの気合いが伴う下段突きが決まれば技有りとする。
8.相手の捨身技(胴廻し回転蹴りなど)をかわして、即座に胴体への当て止め、もしくは顔面に寸止めの気合いが伴う下段突きが決まれば技有りとする。
9.転倒した選手が、倒れた瞬間に防御及び反撃の為に即座に攻撃(下からの蹴り上げ、廻し蹴りなど)をすることは認められ、第3条また第4条の基準で技有りや一本勝ちも認められる。
10.相手の有効技により負傷し、審判長の判断で治療が必要となった場合、相手選手に技有りが与えられた上で試合続行となる。
11.技有りは、2つで一本勝ちとする。※転倒:攻防の中で相手の技によって瞬時に体を奪われ、お尻・背中が床についた場合。または足の裏以外の部位が床に着き、死に体(しにたい)となり直ちに攻防が続けられない状態になった場合。
※当て止め:ライトコンタクトによる明確な突き。ダメージを与えるフルコンタクトは反則。
※蹴りのクリーンヒット:ダメージのある技有り(第4条)にまでは至らしめないが、ある程度の威力・インパクトを伴う蹴り。
【判定】
12.一本勝ちで決まらない場合は判定で決定する。
13.判定は主審1名、副審4名のうち、3名以上の支持を有効とする。
14. 判定基準は両選手の試合の流れを把握し、以下の基準を元に判定を下す。
①ダメージ:どちらがより相手にダメージを与えたか。
②有効打・防御技術:どちらがより有効な技を相手に当てたか。どちらが防御技術を用いて相手の攻撃を防ぎ、自分の攻撃に結びつけていたか。ダメージが無いとしても相手の技に反応せず不用意に受けるのは、試合判定のマイナス要因となる。
③積極性・試合態度:どちらが正確な技で積極的に攻め主導権を握っていたか。どちらが武道精神に則り相手を尊重して正々堂々とした試合態度であったか。
15.減点1を与えられた選手が「技有り」を取った場合、判定に於いて「減点1」と「技有り」は相殺され、それ以外の内容で判定される。
減点1=技有り
16.相手選手の反則負け、失格、棄権による勝ち。
【延長戦】
17.判定で主審1名、副審4名のうち、3名以上の支持がない場合は、引き分けとし、延長戦を行う。
【体重・試割判定】
18.延長戦を2回繰り返しても判定がつかない場合は、体重差と試割枚数で勝者を決する。体重差が10kg無い場合は試割枚数の多い選手を勝者とする。体重差が10kg無く試割枚数が同数の場合は、再度延長戦を行って決める。体重差が10kg以上有り、試割枚数が同数、または軽い選手が多く割っている場合、軽い選手を勝者とする。体重差が10kg以上有り、重い選手が多く割っている場合は、再度延長戦を行って決める。
【反則】
19.次の場合は、反則とする。
①顔面殴打:手、肘による顔面および首への攻撃。手先が触れても反則となる場合がある。
ただし、手で顔面を牽制することはかまわない。
②金的への攻撃。
③頭突きによる攻撃。
④倒れた相手への直接攻撃。第6条、第7条、第8条の場合を除く。
⑤背骨への攻撃:背骨(脊椎)への直接攻撃。
⑥ 掛け:相手選手の首から上、及び胴体へ手掛けした場合。
⑦掴み:相手選手の道着、手足を掴んだ場合。ただし、相手選手の足払い(足掛け下段突き、中段蹴りを捌いての足払いなど)に対する防御のために道着を掴むことは反則とせず、口頭での指導にとどめる。(これらのケースは両者が掴んでいる場合が多く、特に掴みの反則を狙って仕掛ける相手の足払いに対する自衛的掴みについては反則を取らない)
⑧抱え込み:相手選手の足や身体を抱えた場合。ただし、相手選手の足払い(足掛け下段突き、中段蹴りを捌いての足払いなど)に対する防御のために相手選手を抱えることは反則とせず、口頭での指導にとどめる。その際に首から上を抱え込むことは反則。また、双方共に相手選手を抱えたまま床に叩きつけてはならない。
⑨投げ:相手選手を投げた場合。
⑩顔面、首への押し:首から上への押し。
⑪連続しての押し:相手選手を連続して押した場合。
⑫抑え:相手選手を抑えた場合。
⑬密着:腕や胸を合わせて密着した場合。
⑭膠着:腕を合わせて、技術的な展開が3~5秒見られない膠着状態を繰り返した場合。
⑮消極性:明らかに消極的な態度で試合をした場合。
⑯掛け逃げ:技の掛け逃げを再三繰り返した場合。
⑰場外:自分から場外へ両足が出た場合、及び戦意をなくして場外に出た場合は反則(注意1)とする。ただし、攻防中に場外に出た場合は反則を取らない。
⑱主審の「止め」が掛かった後の攻撃。
⑲関節への攻撃:中足・足刀・カカトによる正面から膝関節への攻撃。
⑳不十分な礼:正しく立礼をしない場合。
㉑着衣の乱れ:着衣が著しく乱れたまま試合を続けた場合。帯がほどけて床に落ちた場合。
㉒審判がとくに反則とみなした場合。
㉓偽装:以下の場合、武道精神に悖る(もとる)行為として、注意・減点となる場合がある。
・相手の反則を装った場合(例:顔面殴打や金的への攻撃を受けたと装う)
・負傷を誇張した場合
・自ら顔面殴打や金的攻撃などを誘発した場合
※押し:瞬間的な単発の押しを認める。
※捌き:腕・足への瞬間的な捌きを認める。ただし、捻り・投げは反則。
※押し・捌き・足掛けの複合技:押し・捌き・足掛けを同時に使うことが認められる。
20.反則には、悪質な場合を除き1度目で「注意1」、2度目が「注意2」、3度目が「減点1」となり、4度目が「減点2」で反則負けとなる。
※反則により相手選手が負傷し、直ちに試合続行が不可能で回復時間が必要となり、審判長がその反則が重大なものと判断した場合は、反則をした選手に2つ分の注意が与えられる。
【減点】
21.次の場合は1度目でも減点1となる場合がある。
① 悪質な反則を行った場合。
② 審判の判断により、悪質な試合態度とみなされた場合。
【反則負け】
22.次の場合は、反則負けとする。
①減点2となった場合。減点2=反則負け。
②反則により相手選手が負傷し、大会医師が試合続行不可能と判断し、審判長が認めた場合。
【失格】
23.次の場合は失格となり、審判長の判断で順位が剥奪される場合がある。
①試合中、審判員の指示に従わない場合。
②粗暴な振る舞い、とくに悪質な反則、とくに悪質な試合態度とみなされた場合。
③出場申し込み時に申告した体重と当日の体重に10kg以上の相違があった場合。
④出場時刻に遅れたり、出場しない場合。
⑤主催者が定めた服装、防具の規定に反している場合。
【試合放棄】
24.正当な理由なくして試合を放棄したときは、弁償金を支払わなければならない。ただし、下記の場合は例外とする。
①大会医師または医事委員の診察を受け、試合続行不可能となった場合。
② 大会直前または大会中に、本人に関係する不慮の事故(家族の不幸など)が発生し、審判長が協議の上、退場を許可した場合。

国際空手道連盟・試割り規定
①試割の材料は、33cm×21cm、厚さ2.4cm(13インチ×8インチ、0.9インチ)の杉板を使用する。材質は国際空手道連盟の規格に合致したもので、審判員、審議員の検査を通ったものとする。
②割った枚数によって点数を競うが同枚数の場合は、体重の軽い選手を優位とする。その際の有効体重差は原則として10kgとする。
③選手は、正挙・足刀・猿臂・手刀の4種類の技で試割を行い、その合計点を得点とする。
④選手は、試割の枚数について、規定枚数(3枚)以上であれば何枚でも指定できる。
⑤指定した枚数が1回の試技で完全に割れない場合は「失敗」とし、得点にならない。
⑥「失敗」した場合は、再度試みることができるが、この場合は規定枚数の3枚とする。
⑦再度試みた試割に失敗した場合は、得点を0とする。
⑧試割は、固定したブロックを台として所定の位置で行う。ブロックの台は、審判員・審議員の許可がない限り動かすことはできない。
⑨選手は試割に当たって、ブロックの台、板にはいっさい触れてはならない。ただし、間合いを計ること、板の上に審判員、審議員の検査を受けた薄い布(手拭、タオル等)を敷くことはできる。また、足刀の際にブロックに足を掛けて試技を行うことができる。
⑩試割は、審判員の指示で行う。制限時間は2分とし、それを超えると失敗とみなす。

少年試合付則
中学生以下の試合については安全性を考慮し、次の付則を設ける。
1.全ての押しを反則とする。
2.肘打ちを反則とする。
3.足掛け・足払いを反則とする。(前蹴り・突きなどで相手を瞬時に転倒させ、即座に気合いが伴う突きをして明確な残心を示した場合は技有りとする)
4.ライトコンタクトの決めを禁止とする。
よって、転倒させての技有り(背中が着いた状態での決め)、相手の捨身技への「決め」での技有りは認めない。
5.床に手をついての蹴りを禁止とする。
6.倒れた状態からの攻撃は全て禁止とする。
7.腕への捌きは肘から下のみが認められる。

大会における肖像権について
1.国際空手道連盟 極真会館(主催者)は、本大会の模様を動画撮影、写真撮影、録音等の方法により記録し、公開するほか、主催者及び主催者の指定する第三者により各種媒体(テレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌、DVD等)において公開、利用することがある。
また、収録、公開される情報には、参加者の氏名、経歴、プロフィール、映像、写真、音声及び肖像が含まれる可能性がある。
2.参加者は本大会申し込みにより、氏名、経歴、プロフィール、映像、写真、音声及び肖像が記録、公開及び利用されることに予め同意したものとし、主催者の自由な判断による記録、公開及び利用に関し、肖像権、プライバシー権、 パブリシティ権、作品や成果物に関する著作者人格権等を行使せず、また一切の対価を請求しないものとする。

I.K.O.極真ルール 審判動作基準
組手の部
【試合開始】
1. 両選手を進行係が呼ぶ。(このとき対戦者はお互いに反対の位置より試合場に登る)
2.中央の線を境に一定の間合い3mをとり中央に主審が立つ。両選手に正面に礼、互いに礼を指示し、主審の「はじめ」の合図で試合を開始する。
3.試合続行中、着衣が乱れた場合、主審は試合を止め開始線に戻し、お互いに背を向けて服装を直させる。
【試合中】
1. 試合中、一本勝ち、技有り、反則、場外などの場合、副審は笛の合図とともにそれぞれ旗によって示す。主審は「やめ」の指示で両選手を分け、元の位置に戻す。
2. 旗の振り方は、以下の通りとする。
①一本勝ち/勝った選手の方の旗を真上に上げる。大きく笛を吹く。
②技有り/技有りを取った選手側の旗を真横に上げる。大きく短く笛を吹く。
③反則/反則をした選手側の旗を振る。旗の動きに合わせて短く笛を吹く。
④場外/その側の旗で床を叩き、その後場外に出た選手側の旗を反則と同様に振り、笛を吹く。
旗の動きに合わせて短く笛を吹く。
⑤認めず/2本の旗を交差させて振る。旗に合わせ長めに笛を吹く。
⑥見えず/2本の旗を正面で交差させる。笛は吹かない。
⑦判定の際:引分け・中立/2本の旗を前で交差させる。大きく笛を吹く。
赤の勝利/赤の旗を真上に上げる。大きく笛を吹く。
白の勝利/白の旗を真上に上げる。大きく笛を吹く。
3. 一本勝ち、技有り、反則の場合、主審は副審の判断を求め主審を含め3名以上の判断を有効として、それぞれ宣告する。
【一本勝ち】
1.試合規則第3条の一本勝ちの技が決まった場合、主審は両選手の間に入って分け、試合を止め元の位置に戻す。
2.主審を含め3名以上の支持を有効とし、一本勝ちを宣言する。
【判定勝ち(優勢勝ち)】
1.一本勝ち、反則負け、失格がない場合、試合終了の合図によって、主審は「止め」と指示し両選手を分け、元の位置に戻す。
2. 主審は両選手を正面に向かせ、「判定」と指示して副審の判断を求める。副審は判定基準に則り勝ちと判断した選手側の旗を真上に上げる。引分けと判断した場合は、2本の旗を前で交差させる。主審を含め3名以上の支持を有効とし、3名以上の支持がない場合は引分けとする。
【反則】
1.反則があった場合は、主審が両選手の間に入って試合を止めさせる。
2.反則の認定には原則として主審を含め3名以上の支持を有効とする。
3.反則には、悪質な場合を除き1度目で「注意1」、2度目が「注意2」、3度目が「減点1」となり、4度目が「減点2」で反則負けとなる。
4.反則技については、試合規則「反則」(第19 条)を参照。
【反則負け】
1.減点2または試合規則「反則負け」に該当する場合は、主審は該当する選手に反則負け(手刀を斜め下に指し示す)を宣言すると共に、逆側の選手の勝ちを宣言する。
2.反則負けの基準は、試合規則「反則負け」(第22条)を参照。
【失格】
1.試合規則「失格」に該当する場合は、主審は該当する選手に失格(手刀を斜め下に指し示す)を宣言すると共に、逆側の選手の勝ちを宣言する。
2.失格の基準は、試合規則「失格」(第23条)を参照。
【試合終了】
1.一本勝ち、反則負け、失格の場合、主審はただちに組手を止め、両選手を向かい合わせたまま勝ちを宣告し、両選手に正面に礼、互いに礼を指示し、握手をさせ、退場させる。
2.一本勝ち、反則負け、失格がない場合は、試合終了の合図とともにただちに組手を止め、両選手を正面に向かせ副審の判断を求め、勝者を決定した上同様にする。

副審の旗による動作(PDF)