昇段レポート


「素晴らしい環境で空手ができる喜び」
森 大夢/初段/東京城西支部

僕が空手を始めるきっかけとなったのは、父が塚口道場に僕と兄を連れて行ったのが始まりでした。僕は空手の道場風景を見て、とてもやってみたいと思い、塚口道場に入門しました。

空手を始めてみて思ったのは、とても難しく、とてもしんどいということです。でも、すごくやり甲斐を感じました。

徐々に空手に慣れ始めた頃、先生から「試合に出ないか?」と勧められて何度か試合に出たのですが、いつも1回戦負けでつらい思いをしました。でも、もっと練習を頑張ろうという気持ちでいっぱいになり、練習に励むと、小学4年生のときにやっと入賞することができて、それが当時空手をやっていて一番嬉しい出来事でした。

中学生になると、僕はサッカーを始めたので忙しくなって、空手を稽古する回数が減ってしまいました。回数が減ると、やはり体力や筋肉が弱くなってしまうせいか、道場でやる組手でもよく負けていました。中学の頃は、試合や組手で勝てる気がしなかったので稽古に行くのが少し怖くなってしまいました。

高校生になると、部活には入らなかったので、空手に必ず週1回は行くようになりました。そして僕が高校2年生のときに、兄が昇段審査を受けました。兄が10人組手でボコボコにされているのを見て、当時の僕は正直、昇段審査を受けたくないと思いました。でも、黒帯を締めている人を見ると、自分も早く黒帯になりたいと思いました。そして3年生の夏、受験勉強のため空手を休会することにしました。

6カ月間くらい休会していたのですが、2カ月目くらいから、無性になぜか空手をやりたくなりました。ですが、そこは我慢して勉強に励むことにしました。そして第1希望の大学に受かり、我慢していた空手を再開することになったのですが、やはり休会していた分、体力がとても落ちていて、全く稽古に付いて行けなくてすごく落ち込んだのですが、稽古を続けていくうちに次第に体力も戻っていきました。その頃、住谷先生から「試合に出ないか?」と言われ、中学・高校と試合に出ていなかったので1回くらい結果は気にせず出てみようと思い、全関西大会の中級の中量級に出場して優勝することができました。ですが課題がたくさん見つかり、道場の稽古で修正していこうと思いました。

兵庫県大会では中級の重量級に出場して、これも優勝だったのですが、やはり課題がたくさん残りました。

やがて住谷先生から昇段審査の話が出ました。僕はそのとき、半分嬉しく、半分はとうとう来たかという気持ちでした。審査の1、2カ月前から練習量を増やし、審査に向けて一所懸命に基本、移動、型を覚えました。昇段審査を受ける前に塚口道場恒例の模擬10人組手をしたとき、僕はこのままでは絶対に審査に受からないと思いました。

次の稽古からもっと本腰を入れて励むようにしました。審査の当日、基本、移動、型などを終わらせて、とうとう10人組手のときが来ました。

10人組手が始まるまではすごく緊張していたのですが、いざ組手が始まると緊張がほぐれてきたのか、しんどいながらも10人を達成することができました。このとき、空手を続けていて本当に良かったなと思いました。これから黒帯として、後輩たちの見本となるよう日々努力して頑張りたいと思います。押忍。