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 4月6日(水)総本部代官山道場において、4月17日(日)に東京体育館で行われる『✚日本赤十字社 災害義援金チャリティー 第53回オープントーナメント全日本空手道選手権大会』並びに『2021全日本女子空手道選手権大会』の開催記者会見が実施され、松井章奎館長をはじめ、今大会に出場する前回大会優勝者のコンスタンティン・コバレンコ、同準優勝の西村界人、同4位の石﨑恋之介、同5位の山川竜馬、同6位の加賀健弘、同7位の奥寺優輝、同8位の小林健人、前回女子大会優勝者の佐藤七海の計8選手が出席し、それぞれ大会に臨む抱負を語った。

 まず松井館長より大会開催の挨拶と概要が語られ、「今大会は来年の第13回全世界空手道選手権大会に向けた選考大会になります。試合ルールも2016年にルール改定をしてから微調整を加えた状況が続いていますが、今回もさらに微調整を加えて実戦性を高め、競技性を高め、かつ最大限の安全性を確保しながらクオリティを高めた形になっています」との話があった。

大会の概要・見所を述べる松井館長


左から西村界人(第52回全日本準優勝)、佐藤七海(2020全日本女子優勝)、コンスタンティン・コバレンコ(第52回全日本優勝)

 その後に6月4日(土)・5日(日)に行われる『2022オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会』(第37回全日本ウェイト制大会を兼ねる)の開催に関して松井館長から「この大会は、国際空手道連盟極真会館と多年に亘り親しく交流を重ねてきた全日本真正空手道連盟真正会の中本直樹代表のご理解をいただき共同主催という形で開催することになりました」と発表があり、この大会で採用されるルールについては、「今年、来年、再来年と重ねていく中で、その延長線上に全世界体重別空手道選手権大会があり、そのためにルールの統一を図らなければいけないということで、I.K.O.フルコンタクトルールを採用することを真正会にご承諾いただきました」との説明があった。
 さらに「直接打撃制の空手は大山倍達総裁が創設した極真会館が起源(ルーツ)ということですが、その空手道の社会的地位向上や技術的、各団体の発展、などを目指して行うものであります。この大会は、極真会館と真正会が共同主催ですがオープントーナメントで行います。極真会館の大会は無差別の第1回全日本大会からオープントーナメントとして行っていますが、この30年以上はオープントーナメントと言いながら限定された団体や流派から少数の招待選手が参加してくるような大会に、自然淘汰的になってしまっていました。また、直接打撃制を標榜するフルコンタクトの空手界の団体・流派は乱立しているような状況があり、交流の場が限られている現状があります。もちろん個々に主義主張があり、独自性があると思いますが、それも踏まえて団体間またはそこに関わる個人がお互いを尊重する形で交流できる場が必要だろうと、まずは私ども極真会館と真正会がこういった取り組みをしてみようというところで両者が合意したということです。

 これは競技団体を作るわけではなく、自立した個々の団体がお互い尊重する関係を保ちながら内政には干渉せず、前向きに、技術的に、人的に情報を共有して交流を重ねていく中で各々が発展できる場を作っていきたい。その延長戦上には団体協力会のようなものを組織して、さらに大きな取り組みができればと考えています。ですから極真会館、真正会以外でも個々の団体が尊重し合える関係性であれば多くの団体・流派から多くの参加者を募っていきたいと考えております」と、大会の趣旨を話した。

 続いて松井館長は1969年9月に史上初の直接打撃制の空手大会として開催された『第1回オープントーナメント全日本空手道選手権大会』を前に、大山総裁が発表した開催趣意書を読み上げた(※現在発売中のワールド空手5月号に掲載)。
 そして「50数年前の第1回全日本大会の前にこういった趣意書が発表され、我々の師である大山総裁の志を再認識した次第でありますし、極真会館大山門下であることを改めて誇りに思いました。この精神に則って、我々もこの趣意に沿うような大会を開催していかなければいけませんし、来年に行われる第13回世界大会は大山総裁の生誕100年の記念大会となりますが、この趣意書に沿った活動の集約を内外に問わず顕していきたいと思っています。また、6月の全日本体重別大会は真正会と共にそこを目指して取り組んでいきたい」と語った。

 また、真正会の中本直樹代表からは「私ども真正会は、極真会館とは一部趣を異にするところはあるものの、現在一般的にフルコンタクト空手と言われる直接打撃制を標榜する武道空手道団体であり、そのルーツは大山倍達先生の提唱した実戦空手にあります。今回の共同主催は、志を共にし原点回帰するとも言える事だと思います。
 これを機に極真会館と真正会の交流が更に深まり、選手をはじめとする関係各位が更に成長し其々の団体が発展することを願うと同時に、この大会は『オープントーナメント』として開催致しますので、極真会館・真正会以外からの多くの団体・流派のご理解を賜りご協力、ご参加を望むものであります」といった内容のメッセージが届けられた。

 他団体・他流派の選手の出場について質問を受けた松井館長は「基本的にどの団体に参加していても出場を望む選手は受け入れることが前提ですけれど、それぞれの団体が尊重できる関係でなければいけません。『極真会館』『極真』を名乗っている団体がもし出場を望んできた場合、特に我々の組織から離脱していった団体や個人は、我々から見れば責任と義務を逸した、または規約に違反するような離反行為があったという事例もありますから、我々との軋轢を埋めなければならないということはあります。ただ、どの団体・個人とも、話し合いのテーブルには積極的に着きたいと思っています。ぜひ他団体の方にも理解していただいて、前向きに第一歩を踏み出しませんかという呼びかけはしていきたい」と応えた。

◎第53回全日本大会情報は コチラ
◎2022全日本体重別大会情報は コチラ

前列左から奥寺優輝、加賀健弘、石﨑恋之介、小林健人、後列左から西村界人、コバレンコ、佐藤七海、山川竜馬

■各選手のコメント
No.1 西村界人
(東京城北支部/弐段/188cm/110cm/27歳/第52回全日本準優勝)
「ゼッケン1番という番号をいただき身の引き締まる思いです。準優勝に終わった前回大会では、結果を見ればあと一歩ではありましたがそのあと一歩が大きな差であると思い、(優勝した)コバレンコ選手にあって自分に無いものは何かを考えながら、その一つ一つを埋めるべく、この一年半死にもの狂いで稽古してきました。今大会がライブ配信されるということで世界各国から見ている海外の選手に日本が脅威に思われる試合をしないといけないと思っています。目標は、(4月と11月の)全日本を2連覇し来年の世界大会優勝することで、前回大会が終わってから自分の持ち味であるフィジカルや体格を生かし切れていないことを感じ、もう一度基本に立ち返り、技の出し方や体の使い方を学ぶ稽古を続けてきました。今大会は圧倒的な強さを見せつけて優勝し、来年の世界大会に向けて良いスタートが切れるよう一戦一戦全力で戦い抜きます」

No.13 奥寺優輝
(東京城西支部/弐段/169cm/74㎏/24歳/第52回全日本7位)
「稽古してきたことを全て出し切って、大きい選手に勝つことと、観ている人を魅了するような華麗な組手で勝ち上がっていきたい」

No.14 加賀健弘
(東京城西支部/参段/171cm/81㎏/27歳/第52回全日本6位)
「今大会のテーマは2つあり、一つは『心は熱く、頭は冷静に』、もう一つは『効かせて倒す』。この2つを発揮して優勝を掴みたい。また、自分は中量級ですけれど、中量級の選手でも無差別の試合で優勝できることを証明して他の選手に希望と、観ている人がワクワクして楽しんでもらえるような試合をしたい。前回コバレンコ選手と戦った時は、コバレンコ選手の得意な足掛けの技術に囚われ過ぎてしまい、自分らしさを出せなかったことに後悔が残っているので、今回もしコバレンコ選手と当たるなら決勝戦になりますが、それに囚われ過ぎず、自分を遠くから客観視しているような冷静さを保ちながら、『心は熱く』自分らしさを出し切って全力で戦ってリベンジしたいと思います」

No.27 石﨑恋之介
(東京城西支部/弐段/168cm/85㎏/26歳/第52回全日本4位)
「12月に行われた錬成試合と前回の全日本でもコバレンコ選手に敗れているので、今回対戦すれば3度目になりますが、1度目より2度目の方が確実に近付いている感覚があり、今度はコバレンコ選手に良い部分を出させずに自分が勝って優勝したい。また、自分はベテランになりつつあるので、若手とは違う足掛けの技術や戦略的な部分を見せてベテランらしさを発揮できたらと思います」

No.39 山川竜馬
(東京城北支部/弐段/180cm/100㎏/27歳/第52回全日本5位)
「前回の全日本は自分の納得できる結果や内容ではなくとても悔しい思いをし、そこから今回の大会に向けて自分の反省点や課題点をしっかり修正できるように日々努力をしてきました。今までは試合中の状況によって臨機応変に対応できないところがあったので、今回はどんな状況でも自分の一番良い動き、相手に対して一番効果的な動きができるように、一戦一戦しっかり集中して自分の中で意味のある試合をしていき、絶対に優勝するという気持ちで臨みます」

No.40 小林健人
(東京城北支部/初段/173cm/74㎏/26歳/第52回全日本8位)
「自分の組手は効かせて勝つことを目指しているので一つでも多く技有りや一本勝ちが取れるように、また自分がやりたい組手が体現できるように頑張りたい。相手の隙を一瞬で突いて最後まで目が離せないような試合をしたいと思います」

No.52 コンスタンティン・コバレンコ
(総本部道場/弐段/180cm/101㎏/26歳/第52回全日本優勝)
「今大会に向けてハードな稽古をたくさんやりました。強い選手は多いですがもう一回自分が優勝できるように頑張ります。前回の大会では足掛けの技が多く決まりましたが、今回は上段蹴りなど他の技を決めて勝ち上がりたい」

No.219 佐藤七海
(東京城西国分寺支部/弐段/156cm/54㎏/24歳/2020全日本女子優勝)
「一年半ぶりの試合になりますが、この間も選手としての意識を持ち毎日コツコツ稽古を重ねてきました。今までは得意な突きに頼った組手をしてきたので、今回は突きに負けないくらい強い蹴り技を出して勝ちたい。スタミナ練習では毎日6km走っているのと、普段の稽古では疲れたときも休むのではなく積極的に技を出したり、自分の得意なステップを止めないことを意識し、また自宅にサンドバッグがあるので3分5セットを全力で叩いたりしています。大会当日は稽古してきたことを発揮して全力で戦い2連覇を目指します」