2025年全国選手強化合宿・全柔連から講師を招き受け身講習実施
2025年11月17日



11月15日(土)~16日(日)総本部代官山道場において、1泊2日の日程で全国選手強化合宿が総本部代官山道場で実施され、全国の高校生以上を対象にした強化選手と友好団体の国際大山空手道連盟から2名の参加者を含む約70名が出席した。


初日は13時30分に集合し、14時からまず第1回目の稽古開始。最初に赤石誠監督は「若い選手や中堅選手は格上の選手に食らい付き、追い越すような意識で稽古に取り組んでください。例えば基本や移動であっても周りにいる選手や前列のトップ選手よりも大きな気合いや強くて速い技を繰り出すなど、自分が他の誰にも負けないという強い気持ちを持って稽古に臨むことが大事です」と選手たちを鼓舞し、赤石監督の号令で準備運動、基本稽古からスタートした。



続いてのミット稽古では遠い距離、中間距離、接近戦、大技に対するカウンター、押しに対するカウンターといった各項目に対し、主にトップ選手がそれぞれの技の振り分けやコンビネーションを紹介し、全員でそれを実践する稽古が行われた。これは与えられたテーマに対して選手自身が思考を巡らして考えながら組手をすることの重要性を再認識する良い機会となった。その後は対人稽古で受け返し、約束組手、自由組手、さらに試合を想定したミット稽古、腹打ちなどの打たせ稽古で初日4時間の稽古を終えた。

2日目午前は公益財団法人全日本柔道連盟から向井幹博先生(講道館柔道八段)、ベイカー茉秋選手(2016リオ五輪90kg級金メダリスト)を招き、受け身講習を行った。これはI.K.O.極真ルールにおける足掛けや足払い等での転倒の際のケガや事故の防止を目的としたもので、基本的な受け身の取り方はもちろん、柔道の歴史、創始者・嘉納治五郎師範の教えなどの指導を受け、柔道と空手の相違点と共通点、同じ武道として共鳴する部分についてなど多くを学んだ。全柔連から講師を招いての講習会は極真会館としては初の試みで、貴重な機会を無駄にするまいと、選手たちは向井先生やベイカー選手の一挙手一投足を食い入るような表情で注視していた。
また極真ルールの試合で有効な足掛け・足払いの技や押しとの繋ぎ技なども披露していただき、最後に質疑応答(問答)の時間が設けられ、選手たちがベイカー選手に様々な質問を投げかけ、ベイカー選手は自らの経験を踏まえて、時にユーモアを交えながら回答するなど和やかな雰囲気の中で初の講習会は終了となった。








午後は14時から合宿の最終稽古。まず安島喬平コーチの号令で準備運動、基本稽古を行い、続いて初日の間合いやカウンターをテーマにしたミット稽古を別の選手が紹介し、同じように全員でその対応やコンビネーションを反復した。続いての対人稽古では強豪外国人選手対策が行われ、対戦経験のある選手が相手の特徴や攻略法を紹介し、全員でそれらの情報を共有。その後はトップ選手と若手選手の組手、ワンマッチ形式の組手を行い、初日と同じく試合を想定したミット稽古、腹打ちなどの打たせ稽古で4時間半におよぶ稽古を終えて全日程を終了した。
最後に合宿全体の指揮を執った赤石監督は「この合宿で各自が自信や収穫、課題を得られたと思うので、自分の道場に持ち帰って明日からの稽古に活かしてください。12月の全日本大会まで残り1カ月半を切りましたが、出場する選手はケガに注意しながら悔いのないようにしっかり稽古を積んでください。目標はまずは12月の全日本ですが、その先に来年の全日本体重別、無差別全日本、そして2年後の無差別世界大会の優勝まで長いスパンで見据えて頑張っていきましょう」と話し、選手たちにエールを送り、2日間の強化合宿を締めた。














