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公益財団法人 全日本空手道連盟の講師の指導による第57回目の講習会が10月7日(土)本部直轄代官山道場にて実施された。
15:00からの形(型)講習は和道流の伊藤康夫先生の指導により、新たにチントウの講習がスタートした。最初に伊藤先生から「チントウは和道流の要素がたくさん入っている形で、回転する動作も多くてバランスを崩しやすいのですが、これは四方八方にいる敵を想定しているためで、そういった中で立ち位置の変化や重心の変化、攻撃と受けを同時に行う動きを学ぶという意味があります」との話があり、2人組で相手の突きに対して受けて自分の技を返す動作をゆっくり行い、慣れてきたら受けと返しを瞬間的に同時に繰り出す動作の稽古が行われた。
伊藤先生は「和道流の基本的な考え方は、転位、転体、転技の三位一体を瞬間的に同時に行うこと。無駄のない動きで相手の攻撃が当たらない位置に移動し、体捌きでかわすと同時に反撃する動作を習得することによって、相手に二の手、三の手を打たせず、最初の一の手で決めてしまう」と説明されて、まず先生がチントウの見本の演武をされて、その後に全員で手順を覚える講習に移った。
その中で前屈立ち、後屈立ち、四股立ち、片足立ちの説明があり、松濤館など他の流派との立ち方の違いや受けの動作の説明があった。
この日はチントウの初回でひと通りの手順を覚えることが重視され、何度も反復して先生の号令と説明に合わせて動作が繰り返されてこの日の講習を終えた。
16:30からの組手講習は土佐樹誉彦先生の指導で、2人組で1人が座って足を広げてその間をステップで移動する稽古から始まり、続いて2人で向き合って対角線の手を握り、前蹴り、上段廻し蹴り、裏廻し蹴り、横蹴りを交互にできるだけ遅いスピードで繰り出す稽古、次に蹴りの種類はランダムで細かく速く繰り出す稽古を行った。土佐先生は「ポイントは膝の高さを変えないこと。この稽古では、蹴る際の脚力と蹴り足をコントロールする力を養うことができます」と説明された。
小休止の後はグローブを付けての打ち込み稽古では、刻み突き、中段逆突き、中段逆突きから引き手を引いてステップバックする際に相手の足を刈って崩す動作の稽古が行われ、土佐先生からは「足を刈る際は、自分の足の土踏まずを相手の踵に付けて相手の足の指先の方向へ足を刈る。力の方向が同じなので、大きな力を入れなくても相手は崩れやすい」と解説があった。
さらに上段突きの打ち込みでは、相手の前の手を左手で抑え、右の逆突きで相手の上段を狙う稽古が行われ、土佐先生は「突きは、最初から突くという意識だと肩や肘などどこかに力みが出て相手に動作を読まれてしまいますが、突くのではなく触る感覚で突くとモーションがなくなり相手に読まれにくい。手が先に飛んでいき、体は後からついてくるイメージです」との説明があり、その後は上段刻み突き、中段逆突き、上段廻し蹴り(または裏廻し蹴り)の3つの技の連続攻撃、中段前蹴りから蹴り足を変化させて上段廻し蹴りを蹴る稽古が行われた。
その後は試合形式の組手を行い、「自分が攻撃をしたあと、その場で引き手を取るのではなく、ステップバックして体が真横を向くくらい大きく引き手を取り、技が決まったことを周囲にアピールするようにしっかり残心を示すこと」といった注意点が指摘されてこの日の講習会は終了した。
次回の講習会は来週10月14日(土)に行われる予定である。