本部最新情報

EVENTINFOMEDIAREPORT

1月29日(水)、東京・渋谷区のICHIGEKI PLAZA1階のICHIGEKI CAFÉにて、極真会館創立50周年にともなう各行事イベントの発表と100人組手実施(4月26日/本部直轄恵比寿道場)の記者会見が行われた。会見には松井章圭館長をはじめ、郷田勇三最高顧問、山田雅稔関東地区本部長、そして100人組手に挑戦する田中健太郎支部長が出席した。

まず松井館長から「今年のイベントは全て50周年記念として開催されますが、例年の行事以外では大山倍達総裁の命日にあたる4月26日に現役世界チャンピオンのタリエル・ニコラシヴィリ選手と全日本チャンピオンを2度獲得した田中健太郎君が100人組手に挑戦します。また、創立50周年を機に皆様に申し上げたいのは、正統な極真会館とは、大山総裁が創設した『国際空手道連盟 極真会館』という名称を一字一句変えずに活動している事、大山総裁が聖地と言われた東京・池袋に総本部道場を置いている事、そして絶え間なく恒例行事を積み重ねて活動を継続している団体であり、その意味でいえば大山総裁が創設した極真会館を正統に引き継いだ団体で行われている空手こそが極真空手であり、その団体は我々の極真会館以外に存在しないということを、改めて明言しておきたいと思います」との話があった。

続いて100人組手に関して松井館長は「100人組手とは100本試合ではありませんし、100人と続けて試合をすること不可能だと断言します。あくまでも100人と連続で組手を行うという試みであり、もちろん組手ですから勝敗がつくこともありますし、非常に過酷な挑戦です。その中では相手と向かい合って勝利することよりも、より自分自身と向かい合って初志貫徹していくという作業になります。意識は内向し、追い詰められ、普段では分からない強い自分も弱い自分もそこに現れてきます。そういう自分としっかり対峙して戦い抜くということ。そのような究極の体験をすることで、本人のその後の人生や後進の指導に必ず役立つものが得られるはずですし、それを観戦する我々や門下生、あるいは極真会館全体にも大きな影響を与えることになると思います。その意味で創立50周年の年にこの2名が100人組手に挑むということは非常に意義のあることだと私は考えています」と語った。

今まで全ての100人組手を間近で見て来られた郷田師範からは「100人組手に挑戦するということは、極限まで力を出し切る大変な作業です。その中でも最もハードだと私が感じたのは、松井館長の100人組手でした。この時は私が主審だったのですが、映画の撮影も兼ねていたので観た人に簡単に技有りや一本を取ったと思われないように、厳しく裁きました。田中君もタリエル選手も、スタミナを考えながら、上手に強弱をつけて組手をすれば彼らなら100人を達成できると思います」と語り、山田師範は「私は最初に100人組手を達成したハワード・コリンズ氏のときに対戦相手として参加した記憶があります。また、過去に当時私の弟子であった小笠原和彦君が100人組手に挑戦して失敗した時には間近で見ていますが、その小笠原君の弟子が羽田シゲル君で、羽田君の弟子が田中健太郎君であることを考えると不思議な縁を感じます。組手のタイプ的に、松井館長やフィリォ選手は上段の蹴りで一本取る技が得意でしたし、そういったことが数多く出来ないと非常に苦しくなると思います。完遂することは本当に大変なことだと思いますが、逆に得るものも多いと思うので、田中君とタリエル選手にはぜひ達成して、この経験を後進の指導やその後の極真会館の発展につなげてもらいたいと思います」とエールを送った。

また松井館長は「100人組手に挑戦に関して私の経験から言わせてもらえれば、実施時期はできれば冬場、年齢は25歳以下、身長175cm以上、体重80kg以上、全日本大会や世界大会で3位以上の実績がある者でなければ達成することが難しいと思います。実施時に33歳となる田中君は年齢的な部分だけが不安材料になります。試合では相手に肉体的なダメージを与えることが問われますが、100人組手では相手にいかに技術的なダメージを与えるかが問われ、相手に肉体的なダメージを与える前に、技有りや一本になるような制し方をすることが非常に重要になってきます。そのことを念頭に置いて2名には頑張っていただきたいと思います」と期待を寄せた

臨席した田中支部長は「自分が空手を始めた頃から、100人組手というものはとても尊くて、過酷な修行であると思っていました。自分がそれに挑戦させていただくということを、非常に光栄に感じていますし、その期待に何としても応えなければいけないという気持ちでいます。松井館長や郷田師範、山田師範がおっしゃられたことが出来るように、残り3カ月しっかり稽古して当日を迎えたいと思います。これまで指導して下さった羽田師範、成嶋師範代に改めて感謝の気持ちをお伝えし、教えていただいたことが100人組手で発揮できるように頑張ります」と抱負を語った。

またロシアのタリエル・ニコラシヴィリ選手からはビデオメッセージが届き、「100人組手挑戦は、とても大きなチャンスであり、責任を感じています。100人組手は100人と戦い完遂しなければならず、失敗する確率がとても高いという点が不安材料です。また、この2年間、私は学業に集中していましたが、すぐに稽古を再開し、コンディションを戻すための充分な時間も頂きました。70人80人と戦ったあたりでどんな状態になるのか自分自身想像できません。しかし、私の挑戦を通じて、極真精神、エネルギーを感じ、感動していただけることを願っています。私の願いは極真の会員の皆が、この挑戦を通じ一つになり、また共に発展し、世界のすべての人にこの極真空手の持つ力を知ってもらい、すでに知られているように極真の選手達が強い精神とお互いを尊敬する心をもった素晴らしい人間であることを証明したいと思います」と決意を語った。

■2014年行事イベント予定
4月19日(土)
大山倍達総裁二十年慰霊祭(東京体育館)
4月19日(土)・20日(日)
2014国際親善空手道選手権大会(東京体育館)
2014第10回国際青少年空手道選手権大会
2014ワールドユース空手道選手権大会
2014世界女子空手道選手権大会
2014国際壮年空手道選手権大会
2014国際型競技空手道選手権大会
4月26日(土)
タリエル・ニコラシヴィリ/田中健太郎 100人組手(本部直轄恵比寿道場)
6月7日(土)・8日(日)
第31回全日本ウェイト制空手道選手権大会(東京・墨田区体育館)
8月
2014極真祭(京都)
11月2日(日)・3日(月・祝)
第46回全日本空手道選手権大会(東京体育館)
※2015年第11回世界大会日本代表選抜戦
11月3日(月・祝)
極真会館創立50周年記念パーティー

 

《タリエル・ニコラシヴィリ/田中健太郎 100人組手実施概要》

■実施日時
4月26日(土) 10:00開始 田中健太郎/タリエル・ニコラシヴィリ
■組手時間 1分30秒
■実施場所
本部直轄恵比寿道場(東京都渋谷区東2-16-9  Ichigeki PLAZA 4階)

■100人組手歴代完遂者
ハワード・コリンズ(1972年12月1日/総本部道場)
三浦美幸(1973年4月13日/総本部道場)
松井章圭(1986年5月18日/東映大泉撮影所)
増田章(1991年5月19日/総本部道場)
八巻建志(1995年3月18日/総本部道場)
フランシスコ・フィリォ(1995年3月18日/総本部道場)
数見肇(1999年3月13日/新総本部道場)
アルトゥール・ホヴァニシアン(2009年3月29日/本部直轄恵比寿道場)

■100人組手挑戦者 紹介
タリエル・ニコラシヴィリ
1991年4月6日、グルジア出身。
極真会館ロシア支部所属、弐段。173cm、88kg。
10歳で極真会館ロシア支部に入門し空手を始め、2008年に17歳で全ロシア大会軽重量級優勝。2010年には19歳で第42回全日本空手道選手権大会に出場して史上最年少優勝。翌年には世界各地から192名が参加した“空手オリンピック”とも言われる第10回全世界空手道選手権大会において、弱冠20歳という若さで初優勝。これも10回の歴史の中で史上最年少記録となった。

田中健太郎
昭和57年(1981年)3月29日、神奈川県出身。
極真会館川崎中原支部所属、弐段。180cm、95kg。
中学3年生で空手を始め、全日本高校生大会で優勝するなど頭角を現す。1999年には18歳で第7回全世界空手道選手権大会に出場し、以降世界大会は第10回大会まで4度出場するなどトップ選手として日本の空手界を牽引する。2004年第36回、2009年第41回全日本空手道選手権大会優勝。2005年第3回、2009年第4回全世界ウェイト制空手道選手権大会軽重量級2連覇達成。