ニュースリリース

第41回全日本大会NEWS・木立裕之「選手生活の集大成」

 4年に1度開催される無差別世界大会に3度出場し、世界ウェイト制大会にいたっては第1回から第4回まで連続出場の経験を持つ。およそ10年以上に渡って極真のトップ戦線を走り続けているのが木立裕之(本部直轄浅草道場)だ。身長169cm、体重80kgと出場選手のなかでも小柄な部類に入る木立だが、ひとたび試合場に立てば海外の大型選手とも互角以上に渡り合い、世界大会でベスト8入賞、世界ウェイト制大会では4大会ともベスト4以上の成績を残すなど輝かしい実績を重ねてきた。
 今年8月の第4回世界ウェイト制大会では、中量級決勝で惜しくも森善十朗(東京城西支部)に敗れたものの、世界一流のテクニックとベテランらしい巧さを存分に発揮して準優勝に輝いた。「(優勝に)届きそうで届かなかった悔しさはあるけれど、全力で戦うというテーマは完遂できた」と試合後には笑顔を浮かべた木立だったが、「あと3ヵ月踏ん張れば今度は全日本大会に出場できる」とすぐに気持ちを引き締め直した。
 あと3ヵ月、という言葉には意味がある。木立がトップ選手としての実力を維持できる理由の一つは、「毎日、自分の限界まで追い込む」というほどハードな稽古にある。ただガムシャラに稽古量をこなしてきた若手時代以上の稽古を、37歳になった現在も自らに課しているのだという。最大8時間の稽古をこなす日もあるという木立にとって、稽古とは自らの限界との戦いだと言えるだろう。
 先の世界ウェイト制大会に向けた稽古でも、それこそ命を削るような過酷な修行の日々を約10ヵ月間も送ってきた。そんな木立が再び決断した"あと3ヵ月"の修行と、その先に控える全日本大会。ベテランの挑戦は、いよいよ最終章に入ろうとしている。

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「とにかくベストを尽くすことがテーマ」と木立。全日本は今回で13回目の出場となる

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厳しい稽古で実力を伸ばしてきた。世界ウェイト制大会後も休まず稽古に励んでいる

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大型選手を巧みな技術で翻弄し、パワフルな攻撃で打ち負かしていく組手が魅力

今大会は現役生活の集大成

――世界ウェイト制大会から3ヵ月、全日本大会に向けて稽古に励んでいる現在はどんな心境ですか。
「年齢的にも、残りの試合数は限られていると思っていますので、1試合1試合をとにかく大事にしたい。だから今は結果にこだわらず、稽古の段階から自分ができる全てのことをやり切ろうと考えています」
――今回は連戦となります。
「この10ヵ月間は世界ウェイト制大会のためだけに過ごしてきましたが、大会では決勝も含めて3試合でした。全力を出し尽くしたという気持ちがある一方で、もっと戦いたいという気持ちが残ったのも事実です。この試合のために何千時間をかけてきたかわからない。昨年春頃から全日本大会に向けて苦しい稽古をして、大会が終わったら今度は他の選手が休養している時期から自分はウェイトトレーニングで身体作りに取りかかってと、丸1年追い込んでいる状態です。膨大な時間と労力をかけてそれだけやってきたんだから、もう少し試合がしたい、成果を発表できる場が欲しいと。世界ウェイト制大会からの連戦になりますが、全日本の頂点に立てるチャンスがあるわけですから、もう一度挑戦したいと思ったんです」
――大会後も引き続き厳しい稽古を続けているわけですね。
「モチベーションは高いですよ。調整の段階から燃えてます。稽古では質量ともに過去最高を目指していて、自主トレや選手会も含めて7、8時間の日もありますから」
――疲労は問題ないですか。
「一つの目標に向かって稽古していると、毎日が充実して不思議と疲れを感じないんですよ。限界まで稽古しても、また翌日は頑張ろうと思える。風邪も引かないし、モチベーションも高いし、精神的にすごく良い状態です。ただ、年齢的に身体が持たなくなってきているのも事実で、そろそろ現役生活のゴールが見えてきているのかなという気がしています」
――引退を考えているということですか。
「身体が続くようであれば選手を続けたいですし、元気もあるんですけどね。世界ウェイト制大会も現役生活の最後のつもりで出場していましたが、今回も同じような心境です。ですから、今回の全日本大会は現役生活の集大成というか、総仕上げという意識で全力で戦いたいと思っています」
――そうなると余計に優勝に期待がかかります。
「自分としては、毎回優勝を目指しているんですよ。ただ、優勝を追い求めれば求めるほど掴めない。だから今は結果にとらわれることなく全力で戦おうと、そうすれば良い試合ができるんじゃないかと思いながら稽古しています」
――では組み合わせについて、どんな印象を持ちましたか。
「ずっと意識してきた近藤博和選手(城西世田谷東支部)が近くにいるので、ぜひ対戦したいと思っています。自分が結果を出せるようになった頃に近藤選手も活躍し始めて、同じ世代を戦ってきた同士のような意識がありますから。これまで不思議と一度も対戦したことがないんですが、お互い30代後半になって、選手としてのゴールが見えてきた頃にこうして対戦する可能性が出てきたことに、感慨深いものがあります。ぜひ対戦を実現させて90年代の選手らしい熱い試合をしたいですね。他にも全日本ウェイト制大会で活躍した選手が多いので気持ちが引き締まります」
――最後に、全日本大会への意気込みを。
「毎回、同じですが、テーマは全力で戦うこと。子どもの頃からの憧れだった全日本大会の舞台で、現役生活の全てを出し切りたいと思います」

 ベテラン選手にとって年齢との戦いは不変のテーマだ。だが、木立は年齢を重ねれば重ねるほど安定した強さを身につけて、昨年は実に8年ぶりに全日本大会ベスト4に返り咲いた。さらに今年は世界ウェイト制大会でも中量級準優勝と高い水準で実績を残している。だからこそ「自分がベストを尽くすこと。そうすれば結果はついてくる」という言葉には重みがある。自らの限界に挑戦し続ける木立が、自身13回目の全日本大会に挑む。

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木立裕之(きだち・ひろゆき)
1972年2月6日、千葉県市川市出身
98年第15回全日本ウェイト制軽量級優勝
99年第16回、00年第17回全日本ウェイト制中量級優勝(全日本ウェイト制三連覇)
05年第22回全日本ウェイト制軽重量級優勝(全日本ウェイト制三階級制覇)
09年第4回世界ウェイト制中量級準優勝
無差別では00年第32回全日本大会4位
03年第8回世界大会8位
06年第38回全日本大会6位
08年第40回全日本大会4位
本部直轄浅草道場所属、四段。169cm、80kg













第41回全日本空手道選手権大会 トーナメント表(pdf)
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