昇段レポート


「空手を楽しみながら頑張りたい」
三上 遥/初段(少年部)/青森支部

「遥、昇段審査を受けろ!」。

池田師範のその言葉で、私の空手への姿勢が変わりました。いつも以上に力を入れ、汗を流しました。しかし、心は不安でいっぱいでした。

私は父・姉・兄が空手をやっていたため、気づいたら入門していました。何回も審査を受け、何回も試合に出場し、試合ではたくさん泣き、審査ではたくさん笑いました。そして空手の稽古では、先輩方にいっぱい泣かされました。こうして私は今まで空手を続けてきました。今思えばよく辞めなかったなと思います。辞めなかったのは、きっと空手が楽しいからだと思いました。

それを感じたのは5年生のとき。私は右足の小指を骨折してしまい、病院の先生には空手の稽古を休むように言われました。それだけならまだ良かったのですが、なんと東北大会の出場も断念しなければいけませんでした。そのときは悔しくて、父や姉や兄の稽古を見ているだけで体がうずうずしてならなかったです。

そうしているうちにケガは治り、前のように稽古を始めました。しかし、体はなまり、体力も落ち、全く動けませんでした。それでも空手を目一杯楽しみました。そして1級になり、進学して今に至ります。

私は審査に向けて、猛特訓を始めました。まずは体力作り。逆立ち歩行ができるようにしなければ。あれも、これも、あっそれも。大忙しでした。私にとって一番不安だったのは、7人組手。でも一番できなかったのは逆立ち歩行。コツを聞き、何度も何度も練習し、少しずつできるようになってきました。

そして本番の日がやってきました。ドックン、ドックン。私の緊張は最高潮に達し、心臓が破裂しそうでした。そんな中でも、審査は淡々と進んでいきました。

「次、逆立ち歩行!」

ドキッとしました。今まで練習してきたことを思い出し、一生懸命やりました。しかし、最後まで歩き切ることはできません。悔しさが残りました。

ついに最後の7人組手。覚えているのは、疲れと痛みだけ。それでも何とかやり切りました。帰りに師範から「合格」と言われて、すごく、すごくうれしかったです。

こうして私が合格できたのは、池田師範をはじめ、石川師範代、合宿等で指導して下さった先生方、そして道場の皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

これからは黒帯として恥じぬよう、初心を忘れずに、たくさん稽古をし、私の空手人生をしっかり歩んでいきたい、空手をずっと楽しみながら続けていきたいと思います。押忍。