昇段レポート


「強くなることは楽しいと後輩に伝えたい」
土屋貴宣/初段/本部直轄静岡富士道場

今回、昇段審査の機会を与えていただき、大変ありがとうございました。

自分が極真空手に入門したのは、23歳の春だったと思います。入門の動機というのが会社の先輩からの「近所に極真の道場ができたから見て来いよ」の一言でした。

当時の自分というのが、血の気がとても多く、喧嘩ばかりしている若者で、「それならちょっと行ってみようか」と早速仲間3人で道場へと見学に行きました。当時はまだ道場生も少なく、黒帯の方が1人、茶帯の方が2人だったかと思います。稽古も終盤に差しかかった時、「これからスパーリングをします」と言うと、「押忍」という返事が聞こえ、スパーリングが始まりました。自分の中では「体が一番大きい茶帯の人が一番強いんだろう」と思って見ていたら、何度も茶帯の2人が倒され、「なんなんだ、あの黒帯の人は。一番やせているのに」と肝を抜かれたのを今でもハッキリ覚えています。そして、その黒帯の方こそ、前川克信先生であります。

それからすぐに入門させていただき、前川先生、諸先輩方の背中を追いかけることとなりました。最初の頃は筋肉痛なのか打撲痛なのか分からない痛みの連続で、足を引きずりながら帰っていました。

その後、何度か試合にも出場したり、東海地区の強化稽古も経験させていただき、大変貴重な時間を過ごすことができました。現在では、週に数回指導を任せていただき、道場生の皆にはつらく大変な稽古でも強くなることは楽しいことだと伝えられるように心がけ、指導を続け、自らの稽古の糧としたいと思います。

他人に指導するのは簡単なことではありませんが、今まで先生方に支えていただいたように稽古に励んでいきたいと思います。

最後になりましたが、松井館長、福田師範、前川先生、昇段の機会を与えて下さり本当にありがとうございました。