昇段レポート

「障害(壁)を乗り越えれば成長する」
上出正則/初段/石川支部

この度、昇段審査に合格することができたことについて、国本支部長にはお世話になり、大変ありがたく思っております。また、同じ道場生の応援があったかあらこそ、ここまでこれたと思います。

この審査の際には、前日までできなかった腕立て60回やお腹まで床に着く股割りもなんとかクリアーし、最後の10人組手では気合い全開で挑むことができました。組手の途中、上段蹴りを決められ、危ない場面もありましたが、そのダメージは思いのほか少なく、すぐに復活し、より気合いを入れて臨むことができました。不思議なことに組手によるダメージは当日も翌日も出ませんでした。本当にラッキーな体験でした。

思い起こせば私が入門したのは子どもに空手を習わせるつもりで道場に行ったことがきっかけでした。あれから早4年が経ちました。何人もの先輩たちが辞めていったり、仕事が忙しくなる中で自分はとにかく「継続」していこうと心に決めてやってきました。

何度かケガをしてつらい日々もありました。そんな状態でも「稽古だけには参加する」を心がけてきました。その中で感じたことは、「何事をするにも必ず障害(壁)があり、それを乗り越えれば成長し、そうでなければ終わる。そしてその繰り返し」です。空手は通常のスポーツより、このことが激しいように思います。ケガをしたり、痛い思いをすることが多い反面、真剣に取り組む。そこには「素直な心」「やさしさ」「思いやり」などの人間性を高め、成長させる良い面がたくさん生まれると感じます。そこが空手道のすばらしさだと思っております。

最後に、今回の昇段は私にとって再び新しい世界が開けたと感じております。やはり、黒帯として取り組む空手とそうでない空手は違うと思います。40代後半になり、人生においてできることが限られる反面、できなかったことができるようになる。そんな人生の移り変わり(自然の流れ)を楽しんで味わいながら、これからの空手人生を歩んでいきたいと思います。